私の王子様。 (ページ8)

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7【橙】ページ8

｢あれ？そういえば隆弘の話って？｣

西｢あー別にたいしたことじゃないから
また話す｣

｢なにそれ！まあいいや、じゃあね！！｣

彼女は笑いながらそう言って、家の中に入ってた。

あーダメだ。好きだ。

Aのことは小さい頃から好きだった。

俺にとって、たった1人のお姫様。

そんなこと言うキャラじゃないのになって自嘲気味に笑う。

家に入って、自分の部屋にすぐ直行。

／
バタンッ

ドサッ
＼

制服のままベッドに寝転がる。

はあ…やっぱ言えない。

…Aのことが好きだなんて。

言ってしまったらこの幼なじみっていう関係さえも壊れてしまうかもしれないから。

Aのことが好きになったのは小1の頃。

男子にいじめられてるあいつを見て、あいつだけは俺が守ってやりたいって思ったし、好きだって気付いた。

その気持ちに気付いた日から、俺はAに対してへ冷たく接するようになった。

そんな俺の急に変わった態度にあいつは驚いてた。

まあそりゃそうか。急に冷たくなるってな(笑)
それまでの俺はAへの態度は優しいものだったのだから。

だけど、他の女子には変わらず優しい態度で接してた。

それを見た、Aの顔は…

今にも泣き出しそうな顔をしてた。

だけど、やっぱり俺には優しく接することなんてできなかった。

とても大切な子だから…。
大好きだから…。

だからわざと冷たい態度で接してる。

好きだって素直に言えたらなあ〜。

こんなにも悩まずにすんだのに。

他のことで悩むことはないのに、あいつのことになるといつもこうなる。

何より上手くいかない。

勉強だってスポーツだってそれなりにすれば上手くいくのに。

あいつは無理だ。でも絶対自分のモノにしたい。

それくらいあいつのことが好きだから…大好きだから。

俺のせいでAを泣かせたくないから。

なんだか俺が俺じゃなくなるみたいだ。

どんだけあいつに夢中なんだよ…(笑)

早く告ってしまえばいいんだろうけど。

俺はフラれる覚悟はまだできてない。

だから…あと少しだけ待ってて欲しい。

気まずい雰囲気にはしたくないから。

今日だって、俺が笑いかけただけで顔が真っ赤になってて、可愛すぎたし。

気分を変えるために、スマホをズボンのポケットの中から取り出して、電話をかけた。

／

prrrrr…

＼

？｢もしもし｣

怠そうに出た相手は…

西｢俺だけど｣

與｢なんや、にっしーか｣

俺の大好きな友達の真司郎。