私の王子様。 (ページ2)

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『キャアアア！！！』

『なにあの人！かっこよくない！？！？』

『やばい！顔めっちゃタイプなんだけど！！』

…うるさいなあ。

原因は

西｢入学式早々うるせぇな。何なのあいつら、まじ鬱陶しいんだけど｣

とか言ってるこいつ、私の幼なじみの隆弘こと西島隆弘のせい。私の好きな人。

てかそう言いながらでも笑顔で手振ってるし！！

私が不貞腐れてると隆弘が話しかけてきた。

西｢なーに、A妬いてんの？｣

｢や、妬いてないしっ！｣

｢あっそ｣

あー、なんで素直になれないんだろ。

隆弘の冷たい言葉に泣きそうになる。

いつもそう。私にだけ冷たい。

他の子には笑顔振りまいて優しいのに。

それにいつもイラつくし、何より泣きそうになる。

なんで私こんな人好きになったんだろう…。
っていつも思う。
隆弘よりかっこいい人いるし、優しい人だっている。

だけど私には隆弘しか見えないんだ。

気付いたら、隆弘のことを好きになってた。

何年片想いしてんのって感じ(笑)

隆弘は私にとってのヒーローであり
…王子様でもある。

今日は、私と隆弘の高校の入学式。

正直、隆弘が私と同じ高校を受験したのはびっくり。私のこと毛嫌いしてるくせに。

隆弘は頭がいいからもっとレベルが高い高校に行くと思ってた。

家が隣同士ってこともあって一緒に登校してきて、今に至る。

私は隆弘を置いてさっさとクラス表を見に行こうとしたら、手を掴まれた。

それだけで私の心臓はうるさくなる。

でも必死に平静を装う。そして振り返った。

｢なに？｣

自分が思ってたより冷たい声が出てびっくり。

その声に彼も不機嫌そうな顔をした。

｢別に。｣

もう何なのよー！！！！

って心の中で叫ぶ。

彼は腕を掴んだままそのままズカズカと歩く。

私は引っ張られながら、必死に着いていく。

『ねぇ、あの子なんなの？』

『うざいんだけど』

『なんであんな子に…』

その姿に対しての周りからの声と視線に耐えられなくなって下を向いた。

｢ねぇ！！腕痛いんだけど！？！？｣

人が少なくなったところでそう言っても一向に腕を離してくれない。

そのことを嬉しく思ってる私は単純だ。

そしてクラス表を張り出されてる生徒玄関まで来た。

そこでやっと、腕をパッと離された。

それに少し寂しく思った。

彼はさっさと人混みに紛れてしまって姿が見えなくなった。