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「あつ...それに砂っぽいし、とっても埃っぽい。」
「つべこべ言わない。
あ〜、いました、彼がこの寮の寮長、レオナ・キングスカラーくんです。
ローズハートくんの先輩...三年生です。」
メイサはケホッ、とわざとらしく咳き込みつつ前を向くと獅子の耳を生やした見目麗しい男がけだるげに立っていた。
歳が近いようで、なんだかくたびれている感じからして二十歳かしら、と思いつつメイサはレオナを静かに見定めた。
「あぁ、やっと来たか。待ちくたびれて立ったまま寝そうだったぜ。
俺はレオナ・キングスカラー。この寮の寮長だ。
ここは弱肉強食のサバナクローだ。生き残りたきゃ他の奴を蹴落とせ。それができないなら入るのはおすすめしねぇ。」
「へぇ、面白そうね。
私はメイサ・ロウルよ。どーぞヨロシクね、キングスカラーくん。」
レオナの説明にメイサは笑みを深め、埃っぽいのが玉に瑕ね、と付け足した。
「入りたきゃ入れ。勝手にしろ。俺は知らねぇ。」
レオナは眠たげに欠伸を一つ零した。
メイサはレオナを静かに見て、寮の入口の方へと踵を返した。
「候補の一つに入れておくわ。
さ、次行きましょう。埃っぽくって咳が止まらない。」
「自分勝手な行動は...って...聞いていませんか...」
学園長はメイサの後を追い、入口の方へと歩き出した。
𓃭
「...根本的な魔力の使い方が違いそうだな。」
「?レオナさん、何か言ったッスか?」
「なんでもねぇ。」
レオナはボスッとベッドに倒れ込み、先程の出来事を思い出していた。
マレウスと初めて出会った時とはまた違う悍ましいような魔力の気配だったと寝返りを打ちつつ思ったのだった。
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