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「私はもう行くけれど、道端で寝ちゃ駄目よ、冷えるわ。じゃあね。」
「お気遣い有難う。起こしてくれた上に心配までしてもらって申し訳ない。」
俺は、そそくさと歩き出して行った彼女の背中を少しの間眺めてから自分も遅刻しかけていることに気付き、少し急ぎ気味に教室へ戻った。
𖤐˒˒
「...は〜...何あの子...ドラコニアくんとは別ベクトルで一緒にいて疲れる不思議ちゃんね...」
随分と嫌な思い出を思い出したあとのメイサにはシルバーがあまりにも眩しかった。
世間の汚いところなんて知らなさそうなオーロラを閉じ込めたような瞳に、自分とは違う一切の濁りのない銀髪。
何より言葉の端々から悪意なんてないと伝わってくるところ。
それに何より...
「道端で寝てるってどういうこと...?流石の私でも心配なんだけど...
学生よね、あの子。酒で酔っ払ってその辺で寝転んでるなんてことはない...というかそうなら危機感が無さすぎるわ、どれだけ治安が良いところで育ったのよ...身ぐるみ剥がされてても文句言えないわよ。」
メイサは、柄にも無く人を心配していることとシルバーが道端で寝っ転げていたことへの戸惑いでいっぱいだった。
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