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「おはよう、エース。あら、その可愛い子と優等生さんに可愛い狸さんははじめましてね。」
メイサは教室に入るとエースを見つけ、声をかけた。
エースはメイサに声をかけられると気の良さそうな笑みを浮かべ、「おはよー」と返した。
エースと先程まで話していた少女＿と思しき生徒＿と狸のような、猫のような謎の生物とお固そうな雰囲気を纏った男子生徒がメイサに視線を送る。
「あ〜...昨日色々あってさ...仲良くなったんだ。」
「入学早々波乱万丈ね。
はじめまして、メイサ、メイサ・ロウルよ。どうぞ宜しくね。」
メイサが自己紹介をすると、狸のような猫のような謎の生物は「オレ様は狸じゃねぇんだゾ〜!!」とぐずりだした。少女は宥めるようにその生物の頭を撫でた。
「か、監督生として入学したユウです!こちらこそ宜しくお願いします...!」
「オレ様はグリム様なんだゾ!!」
「デュース・スペードだ!こちらこそ仲良くしてくれると嬉しい。」
メイサは笑みを浮かべ、グリムの頭を撫でながら、「間違えちゃってごめんなさいね」と謝った。
「そう言えばデルフィーとお揃いしたくてチャーチグリムのタトゥーを入れたのよね。
今となっては随分子供っぽくて幼稚だったわ。」
メイサが懐かしげにそう呟くと、監督生はまるで予想していなかった事態に遭遇して気が動転したかのような顔で「デルフィー?」と呟いた。
監督生が呟いたのを聞いてメイサは「デルフィーのお知り合い?」と尋ねたが、監督生は微笑んで誤魔化した。
「そう言えば監督生ってことは普通の生徒じゃないのね。」
「は、はい...!!えっと...お恥ずかしながらというか...えっと、私...魔力が無くて...でもグリムの監督目的で入学を許可されたんです!!」
監督生の言葉にメイサは大きく目を見開くと次の瞬間には嫌悪の籠もった視線を監督生へ送る。
メイサの反応を見て、監督生は「分かっていたけどこれはキツい...」と一言呟いた。
「へぇ...そうなのね。」
「...あ、あの...わ、私達は魔法族と違って魔力も魔法も持ち得ません。でも魔法を持ち得ないからこそ科学の技術が発展し、今や昔は魔法と言われていたことまで実現可能になってきました、だから、魔法族が一番だなんて思わないでほしい...です。
変なこと言ってすみません...」
メイサは一瞬驚いたような反応を見せたが、すぐに監督生を見下したような表情を浮かべ、教師が入ってきたのに気付いて前を向いた。
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