闇の帝王の娘と捻れた世界【ツイステ】【HP】 (ページ37)

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「もうこのやり取りも飽きてきましたねぇ...それでは始めましょう!!」

学園長は顎に手を当て退屈そうに首を傾げてから鏡を地面へと落とした。

メイサはマレウスを前にして初めて、”恐ろしい”という言葉の意味が分かったような、そんな気がして身震いを一度だけした。対するマレウスは特に何も感じていないかのような余裕気な表情を浮かべていた。

鏡が静かに音を立てて割れた。試合開始だ。
メイサは強張る体に鞭打って杖を構えた。

「あぁ、実にいじらしい。」

「は?」

いつの間にやらメイサの腰にはマレウスの手が回り、杖を握った手もマレウスの手の内にあった。メイサの眼前にはマレウスの花のような顔があった。

メイサは驚きを超えて恐怖さえ抱いた。
いつもの嫌味が喉の中へすっこんでいくのを感じながら、マレウスの目をじっと見つめていた。

今まで余裕気であったメイサの怯えた様子に会場中の空気が凍りついた。

「先程の姿は実に美しかった。」

マレウスの言葉を聞いてメイサは更に驚いたような表情を浮かべたが、やっとこさ嫌味な笑みへとその美しい顔を歪ませ、少しの恐怖を残しながら口を開いた。

「あんなのただのまやかしよ。それに惚れるだなんて馬鹿舌ならぬ馬鹿目なのかしら?」

メイサはマレウスの首へそっと手を添え、爪を食い込ませてカリッと音がするまで引っ掻いた。そして彼に握られていた左手を杖ごと強く握り返す。彼女なりの威嚇方法にマレウスは愉快そうな表情を崩さない。