闇の帝王の娘と捻れた世界【ツイステ】【HP】 (ページ35)

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「(ここまでの試合で殆どの手数はあいつにもある程度割れてるから相手が分かっていないのはユニーク魔法くらいか...)」

ヴィルは手札を全て明かしたが、ユニーク魔法を駆使して見事メイサを謀ることに成功した。レオナもそうできることならそうしたかったが、なんせ彼のユニーク魔法は使い方によっては流石のメイサも死ぬ可能性が高い。

より強い相手を後に回し、その前の相手で手札をある程度引き出し、後に待っている強い相手に対して策を立てる、あの脳筋女にしてはやるじゃねぇか、とレオナは内心舌打ちをしてやりたい気分だった。

いつまでも飛び回っているわけにもいかないので、レオナはそろそろか、とサバナクロー寮長の杖を握り直した。

「王者の咆哮(キングス・ロアー)」

次の瞬間、大量の砂が生み出されると同時にレオナ自身も砂となって消えてしまう。
思わず会場全体に激震が走った。それは勿論メイサも同じで、今までよりもさらに大きく動揺を見せ、思わず目を見開いていた。
しかし、警戒は緩めずに砂の山へと近付く。

「...現れよ。」

メイサはゆっくりと砂の山に近付き、呪文を放つ。すると砂の山は一瞬にして消え失せ、そこには何も残らなかった。
メイサは予想通りだったと言わんばかりの表情を浮かべ、後ろを振り返った。
しかし、後ろにもレオナの姿は見られない。
苛立ったような表情を浮かべるメイサ。観客達もレオナが何処にいるのか分からず、僅かな心配を抱いていた。サバナクローの寮生達は今にもフィールドに乗り出していきそうな勢いであった。