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「...何したの?アンタ。」
メイサはヴィルを少し苦しげな表情で見つめた。ヴィルは片方の口角を吊り上げ、余裕そうな笑みを浮かべた。
「あら、遂に余裕そうに笑うこともできなくなったの?」
「...遅効性の呪い...面白いじゃない、良いわ。」
メイサは今までの余裕そうな笑みではなく少し焦りの見える表情を浮かべた。
しかし、表情とは裏腹に冷静さは失っていないようで、ヴィルに対して細やかな攻撃を加え、まるで魔力などちっとも減ってなどいないかのように動き続ける。
ヴィルはヴィルでメイサにデバフがかかっていることで安心できるのか安定した防御を続ける。
しかし、ヴィルの余裕もそう長くは続かなかった。
それもその筈。メイサの魔力がちっとも途切れやしないのであった。
満身創痍とまではいかないもののあまり無理はできなくなってきたヴィルはケリを付けてしまおうと雷をメイサ目掛けて落とす。
流石のメイサも落雷は少し予想外だったようで目を見開いたが、防衛魔法で雷を跳ね返す。
ヴィルは雷を跳ね返されることは想定内だったのか、無属性魔法の連撃を繰り出し、メイサに攻撃の隙を与えなかった。
遂に集中力が切れたようにメイサの防衛魔法が決壊した。
ヴィルは待っていたと言わんばかりに少しの余力を残して渾身の一撃を繰り出した。
「残念だわ、楽しい時間もここまでよ。」
目の前にいた筈のメイサはいつの間にかヴィルの背後へ回っていた。
「背後には気を付けなさいよ。」
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