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「最後は僕ですか...あのお二人のご健闘ぶりを見せられた後では少し味気ない気もしますね。」
「貴方は見た限りでは少し未知数だったもの。アジームくんとローズハートくんの間くらいだとは思ってたんだけど...二人の実力を測りかねてたから。」
メイサがわざとらしく不思議そうな声色で喋ると、アズールは小さく「随分と下に見られたものだ」と呟いた。
メイサは聞こえていたのか聞こえていないのか、余裕を含んだ美しい笑みを浮かべた。
「さあ!第三試合を始めましょうか。
先程と同じように、この鏡が地面に落ち、割れたらスタートです。」
少し楽しくなってきてるんじゃないかしら、とメイサは呆れを込めた溜息を吐いた。アズールも同感だと言わんばかりの表情を浮かべ、学園長を何とも言えない感情で眺めた。
学園長はそんな二人の態度など気にしないかのように鏡から手を離した。
鏡と地面がぶつかり、鋭い音がした瞬間に空からブワリとメイサを飲み込まんとする勢いで水が現れた。
先手を打ったのはアズールであった。
アズールは先程の試合から、メイサには先手を打っても後手で待っていても負ける可能性が高いことは悟っていた。
それであればせめて勝つ確率が少しでも上がるようにと先手を打ったのだった。
また、メイサの飛行術の技術上、上空での戦闘は不利だと考え、空から水が現れるように魔法を放ったのだった。
メイサは僅かに動揺を見せたが、冷静さを取り戻し、素早く防衛魔法で水に飲み込まれるのを防いだ。
しかし、止まることを知らぬ勢いで吹き出してくる水魔法の対処には少し迷っていたようであった。
何か仕掛けなければ始まらないと、メイサは不完全に近い姿くらましで移動し、アズールの背後へと回った。
アズールはメイサが二つ同時に魔法を放ったことに少し驚いていたが、すぐに分厚い水の膜を魔法で召喚し、メイサの放つ呪文を待った。
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