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「変身術って難しいわよね。でもコツを掴んじゃえば何にだって変えられる。
観客席の坊や達、死にたくなきゃ伏せとくのが得策よ。
服従せよ」
観客席の一部に座っていた生徒達が皆伏せる。
それを確認した彼女の紅い目がもう一度恐ろしいまでに底光りした。
メイサが地面へと杖を向けるとコロシアムの石畳がみるみる巨大な蛇＿バジリスク＿へと姿を変える。
メイサはバジリスクにも届く程の声量で「シャーッ」とバジリスクに対してなにか命令を出す。
リドルは大きく目を見開き、あからさまな動揺を見せた。
リドルにできた一瞬の隙を狙い、メイサが失神呪文を放つ。
その呪文をすれすれで避けたものの、リドルは避けることに気を取られ、飛行術の方にまで手が回らなくなったのかぐんと高度が落ちる。
それと共にメイサも高度をぐんと下げ、リドルの目の前に呪文で水の膜を張る。
そして、黄金に輝くバジリスクの瞳とリドルのくすんだアイスブルーの瞳が水の膜越しにバッチリと合った。
その瞬間、リドルは石のように固まり、箒と共に地面へ向かって落下し始める。
観客席の生徒＿特にハーツラビュル寮生＿が一斉に立ち上がる。
何人かはリドルの名前を叫んでいる。
メイサは地面スレスレでリドルの体を抱き上げ、地面へと寝かせる。
「あぁ最初から武器を奪っておけば良かったかしら。」
メイサが杖をリドルに向けるとリドルの持っていた王笏がメイサの方へと吸い寄せられる。
学園長が慌てて駆け寄ってくる。
「まさか石化させてしまうだなんて!!」とメイサに向かって慌てたように叱る。
「マンドレイク...こっちじゃマンドラゴラとかかしら?...まあどっちでも良いけど...
マンドラゴラで解毒薬を作れるわ。あとでマンドラゴラが何処にあるか教えて頂戴。」
バジリスクの目に目隠し呪文をかけ、優しくバジリスクの鱗を撫でた。
すると、バジリスクの姿が元の石畳に戻る。
「二年生寮長の最高ラインはよく分かったわ。有難う、ローズハートくん。」
メイサは心做しか優しげな表情でリドルを抱きかかえ、ハーツラビュル寮生に引き渡した。
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