闇の帝王の娘と捻れた世界【ツイステ】【HP】 (ページ18)

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幸いにも何事もなく食堂を出て実践魔法の授業へ向かった。

「お前、あんなこと言っておいて怖いとか思わねぇの?」

「あら、吸魂鬼(ディメンター)と生き残った男の子の方が怖いわよ。」

メイサは素知らぬ顔で職員寮から教科書を取って戻ってきた。
そしてエースと合流し、実践魔法の教室へ向かっている。

エースは早くもメイサの度胸が恐ろしくなってきた。
こいつなら全ツイステッドワンダーランド民を敵に回しても薄ら笑いしてそう、と心のなかでひとりごちた。

早く行かないと遅刻するわよ、メイサはポケーっとしているエースを横にスタスタと歩き出す。

「でぃめんたー?なにそれ。」

「闇の魔法生物の一種で、傍にいる者に絶望と憂鬱を齎し、人々の幸福を餌食にしている悍ましい生き物よ。
黒いフード付きのローブを被ったような容姿をしているわ。
人の魂を吸い取ることができて魂を吸い取られた人は抜け殻のようになるの。
少し前の時代まではアズカバンって刑務所の看守をしてた。今じゃ使われてないけどね。
撃退する方法としてあげられるのは...」

メイサは少し口籠り、懐から杖を取り出して構え、何かを念じるような表情をして杖を振る。

「守護霊よ来い。」

呪文を唱え、杖の先から、銀色に輝く半透明で美しいドラゴンを出現させた。

すげぇ、と声をこぼしたエースに対し、メイサはいたずらっぽい笑みを浮かべて「触れるわよ」とドラゴンの形をした守護霊の背中を撫でた。

「これがパトローナス。今は場所が場所だからちょっと縮めて召喚したけど本来はもうちょっと大きめよ。
私の場合はドラゴンが好きだからドラゴンだけど、他には...そうね、牡鹿や牝鹿、不死鳥なんかもいるわよ。術者によって現れるパトローナスは様々なの。
ディメンターを追い払う他にも伝言を頼んだりもできるわ。
これで満足?本当に授業に遅れちゃうわ、行きましょう。」

ドラゴンの守護霊を何処かへやり、もう一度メイサは歩き始めた。