あぁ、好きだ .【ヒロアカ】 (ページ7)

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癒乃ちゃんとひとりページ7

あの人はいつも涼しい顔して
トップに立っているかと思えば、

ああやって毎日放課後に自主練習をしている。

「＿轟くん、もう下校時刻だよ」

用事があってたまたま体育館前を通った時、
開いていた扉から見知った後ろ姿が見えて声をかけた。

以前より声がかけやすくなっていて、
同じクラスメイトとしてなんだか嬉しくなる。

「…もうそんな時間か」

今まで気付かなかったのか、
時計を見ては目をパチクリさせている。

案外抜けているところもあるらしい。

「いつもこうやって練習してるの？」

「ああ、まぁ」

「そっか、すごいね」

確かにセンスがすごいのは確かだが、
それだけで驕っているような人では
ここまで強くはなれないだろう。

「お疲れ様、じゃあまた寮でね」

それだけ言って体育館を出ようとした
のだが、

「…お前も、さっきまで勉強してたのか？」

まさか引き止められるとは思っていなかったので
ちょっとびっくり。

「あ、うん、そうだけど…？」

あれ、でもなんでそんなこと知ってるんだろう？

そう思いながらも足を止め
再度振り返ると、いつも通りの無表情な彼。

「そうか。

＿＿お疲れ」

「……！

ありがとう、！」

思ってもみなかった労いの言葉を噛み締め、
寮までの道を軽い足取りで歩いた。

口元が緩んでいるのは、
私の努力を誰かが見ていてくれていたから。

…ただ、それだけだ。