あぁ、好きだ .【ヒロアカ】 (ページ3)

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癒乃ちゃんと席ページ3

あの人の席は私の斜め後ろの、もうひとつ後ろの席。

真面目な人たちが集まった席なので授業中は基本静かだけど、
たまに面倒な事に巻き込まれたりしている。

「あー、なんでオイラここの席なんだよぉ…。
周り男ばっかじゃねぇか…」

「んだよ、後ろに八百万いんじゃん」

てか授業中だぞと近くの瀬呂くんに突っ込まれている。

と言っても、今はマイク先生がプリントを職員室に取りに行ってていないからギリギリセーフ。

「後ろじゃ意味ねーんだよ！！
あーヤオモモが前の席だったらなぁ…」

「？わたくしですか？」

「(も、百ちゃん…！
話に入らなくていいんだよ…！)」

律儀な百ちゃんはちゃんと峰田くんの会話に入ってしまった。

「席交換しようぜヤオモモ！！
そうすれば…グヘッ、
オイラは授業中でも合法的にずっと眺めていられ＿」

「そっそれ以上は何も言うな峰田！！
八百万がすっげぇ目して見てんだよ！！ゴミを見るような目で見てんだよ！！！」

「…峰田さん……」

いつも通りと言えばいつも通りの、
少しやばめの会話が今日も大声で聞こえた。

「(百ちゃんと峰田くんを近付けたらダメだと思うよ相澤先生…)」

あの不吉な会話を止めてあげたいが、
地味に席が離れている私にはそれは少し難しいもので。

「お前ってやつは……。
なぁお前らからも何かってやってくれよ」

どうしたものかと唸っていると、
意外な人物が口を開いた。

「峰田」

「お？なんだ轟！」

それは轟くんで、
辺りに話を振られたからと言っても、こういった会話の中で彼が言葉を発するのは珍しいことだった。

「気持ち悪いぞ、お前」

「「「………」」」

淡々と放ったその一言は、
シンプルながらも威力は抜群だったようで。

「とっ、轟ぃ…悪かった、オイラが悪かったから…。

やめてくれよ、イケメンにそんな真顔で言われたらつれぇよ……死んじまうよ……」

「もうすぐ先生戻ってくるから前向け」

「はい……」

「「「(轟強ええぇぇぇぇ…！！！！)」」」

…どうやらあの人は割とズバズバものを言うらしい。