外つ国に生まれた少年は、日の本のヒーローを愛している。 (ページ10)

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関係性が変わってからはページ10

　
　
　
最寄りの駅から電車に乗って何駅か。興味のあった特別展をやっている博物館へと向かう。
始まってから沢山の時間が経って、尚且つ平日ということもあり見学者はまだら模様の様だけど、一応2枚分のチケットを事前に取ってある。
博物館がある最寄りの駅に着いて何人かの人達に混ざって電車を降りる。
大きな駅とは違ってホームにもまだら模様にしかいない世界を通り抜ける。

「……あ、待ちましたか？」

「ううん。丁度、5分前に着いた」

「んふふ。良かったです、それでは行きましょうか？」

「うん。西口で良いんだよね？」

「Gea」

数週間振りに顔を合わせた友人。あの日から、これまでの空白を埋めるように何回もメッセージを送り合っていた彼。
今日は平日で、彼はお仕事をしている人だけど態々ユウキュウを取って来てくれた。久し振りに遊びたいからと、照れた様に笑って。

「俺！アナタのユウキュウに応える為にも花丸を貰える完璧レポートを作りますからね！」

「え？あぁ……？うん。期待してるよ」

「腕がなります。ポキポキですね」

こうして並んで歩くだけで、凄く懐かしい気持ちになるし、心の底から嬉しくなる。
俺の中の時計がもう一度進み始めた現実を噛み締めながら、跳ねそうになる脚を必死に押さえ付けて、目的地まで歩き続けた。