外つ国に生まれた少年は、日の本のヒーローを愛している。 (ページ19)

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朝の一幕ページ19

　
　
　
配信を終わらせた後、ウィルソンくんと通話を切らないまま勉強の準備をする。
わちゃわちゃと何気ない話をしていれば、当たり前の様に足りない2人が入ってきてヒーロー達に囲まれる。時間は大丈夫なのかと聞かれ、今日はオンラインで終わらせられる勉強だから大丈夫だよと机の上にテキストを開きながら返す。
本当なら時差があって、向こうは俺が朝なのと違い夜か夜中の時間なのにこうして集まってくれる。一緒に話す時間を作ってくれる。
きっと、こういう関係性を「幸せ」と呼ぶのだろう。

「I'm sorry. It's almost time to go, so I'll finish.」

名残惜しいまま、言葉を口にすれば3人から其々の「頑張ってね」が帰ってくる。
4人で話した時間は10分にもならない時間ではあったけれど、それだけで今週。いや、一ヶ月は頑張れる様な力を勝手に貰えた。

画面を切り替えて、先生や同じ勉強をする仲間達がいるチャンネルへと入って、授業開始と同時に先生が話し始める言葉に耳を傾けて、ノートに文字を書いていく。
レポートを書く為にもしっかり話を聞かなければいけないのに、どうしても先程の楽しい時間を思い出してしまい顔がニヤついてしまいそうになる。

どうしよう。
今日一日、変な人から戻れそうにない。