２．初対面、ご対面。(3/4) ページ6
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登校中も授業中も常に視線を感じる俺達の唯一無二のオアシスが屋上だ。古びた南京錠は多少の振動を与えるだけで外れ、いとも簡単に侵入できた。日向は好ましくないから、到着早々貯水槽の影で胡座をかく。俺が購買の焼きそばパンの包みを剥がすと同時、叶が「あちゃー、」と声を漏らした。
「飲み物なくなってたの忘れてた。買ってくるね」
「あいよ」
重そうな腰を上げて叶は来た道を戻る。突然話し相手を失った俺は、一人で黙々と食事を終えた。
春、といえど日差しが強いと薄ら汗をかく。額に張り付いた前髪をはらりと払いながら、スマホゲームに勤しむかと思いきや、先程インストールされたインスタとやらの通知が目につく。そこには、「〇〇があなたをフォローしました」という大量の通知。疑問符が浮かぶも、俺のところに笹木がオススメに出たことを思い出すと合点がいく。十中八九、叶をフォローしている人間のオススメにでも載ったんだろう。メッセージも届いているようだったが、フォロー通知を見るだけで精一杯だ。後で叶にでも通知の切り方を聞き出そう。完全になりゆきで始めたSNSだが、【アイツ】を探すにはもってこいかもしれない────。
そんな考えを巡らしながら、フェンスまで歩いて、校庭を見下ろす。全身に陽の光を浴びる。暑い。熱い。あつい。くらり。ゆるりとした目眩にバランスを崩しそうになるも、屋上のドアが開く音がして我に返る。お早い帰宅に「階段ダッシュでもしたのか」と声を掛けようとした、のだが。
『な、南無阿弥陀仏…………』
突如唱えられたのは多分お経。幽霊と間違えたのか、屋上＝自. 殺と結びついたのか。フシギバナ、…もとい、タカネノハナは、か細い声で呟くとそっと俺に向けて手を合わせた。
「お、俺、死んでない、っす…けど」
『あ、……失礼、こちらの話です』
どちらの話だよ。ツッコミの一つや二つ入れたいところだが、こちらが一方的に知っていたといえど初対面だ。喉の奥まで出かけた言葉を殺し押し黙ると、当然気まずい沈黙が流れてしまう。Youは何しに屋上へというのは聞くまでもなく、片手に下げられた弁当を見れば察することが出来る。あつ、い。
「天気、いいっすね、〜…」
『うん。』
渾身の攻撃は不発。太陽からも食い気味に返された肯定からも逃げるように陰へと移動する。かしゃん、と手を滑らしスマホを落とせば、偶然絶好の話題を発見した。
「…SNS、詳しい？」
少し、彼女の顔が強ばった気がした。
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くう - 好きです！続きが気になるのですが、更新の予定はありますか？… (2022年8月31日 20時) (
レス) @page13 id: b51b4630d2 (このIDを非表示/違反報告)
人生最高チャンネル(プロフ) - ただの阿部担@まぐろみかんさん» 読んでいただきありがとうございます！初めてコメントいただいたので嬉しいです。長くなると思いますがどうか最後までお付き合いください；； (2021年8月28日 0時) (レス) id: 4d332fd3a4 (このIDを非表示/違反報告)
ただの阿部担@まぐろみかん(プロフ) - え、え、好きです……好きです、ハイ、愛してまs((更新頑張ってください！ (2021年8月27日 21時) (レス) id: 341728400e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：人生最高チャンネル | 作成日時：2021年8月18日 5時
