１．リクエストは突然に。(1/2) ページ2
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春一番。桜吹雪の中、漆黒の髪糸が靡く。
小柄なのに、存在感がある少女。人間の美醜にあまり関心のない俺でも、なんとなく「キレイ」と感じるほどにその姿は圧倒的だった。
「【高嶺の花】のお出ましだね」
自然と少女を目で追っていると、隣を歩いていた叶がいつもの調子で呟いた。
「……？ タカネノハナ？」
「そんなフシギバナみたいに言わないでくれる？……A、佐々木A。色々あって主にSNSで一躍有名になった女の子だよ」
再度学校へ歩を進めながら、叶が簡潔に説明する。聞いたところでいまいちピンとこなかった俺がくあ、と欠伸を零せば、既に話題に対して興味を失ったのを叶は瞬時に理解したようで、おちょくるような口調で話を続ける。
「まあ葛葉SNSとか出来ないから分かんないか。」
「出来ないってなんだよ、出来るわ！えすえぬえすだのえすおーえすだの。」
「助け求めてどうすんの。じゃあ試しにインスタやってみな、登録登録」
半ば奪い取るようにスマホを操作され、インスタとやらの登録を促される。ユーザーIDは何でもいいと言われ、「Vamp_Kuzu」と入力する。何か言いたげな叶を無視して、手に持っていたいちごミルクのパックの写真を撮影した。
「はい余裕と」
「アイコンをその場で撮った写真にする人、実在するんだ。……まあ言いたいことは沢山あるけど、コミュ障脱却の第一歩は踏み出せたんじゃない。」
叶は含みのあることを言いながらもすっすっ、と手早く俺のスマホを操作し、俺の手元に返ってきた頃にはフォロー数が増えていた。
「知り合いフォローしといたよ。んで、これが僕のアカウントね。」
「フォロワー多。怖っ」
「そう？まー葛葉もすぐに増えると思うけど。女の子にモテモテだし」
「？ 何で。人気なのはお前じゃん」
「世の女性はこんな鈍感男のどこがいいんだろうねー」
叶が遠巻きにこちらを見る周囲の人間に手を振ると、たちまち黄色い歓声が上がる。ほら、やっぱりお前がモテてんじゃん。そう思いながら返却されたスマホを眺めると、【あなたへのオススメ】に現れた「ささき」というアカウント。
「(ああ、笹木か。)」
数少ない知り合いは叶が全てフォローしたはずなのにと考えながらも、唯一笹木だけハブったように見えたらぎゃあぎゃあと文句を言われそうだ。
この時の俺は、深く考えることなく、極単純な思考でフォローボタンを押したのだった。
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くう - 好きです！続きが気になるのですが、更新の予定はありますか？… (2022年8月31日 20時) (
レス) @page13 id: b51b4630d2 (このIDを非表示/違反報告)
人生最高チャンネル(プロフ) - ただの阿部担@まぐろみかんさん» 読んでいただきありがとうございます！初めてコメントいただいたので嬉しいです。長くなると思いますがどうか最後までお付き合いください；； (2021年8月28日 0時) (レス) id: 4d332fd3a4 (このIDを非表示/違反報告)
ただの阿部担@まぐろみかん(プロフ) - え、え、好きです……好きです、ハイ、愛してまs((更新頑張ってください！ (2021年8月27日 21時) (レス) id: 341728400e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：人生最高チャンネル | 作成日時：2021年8月18日 5時
