早川殿と氏真 ページ31
早川殿の本名分からないんで"さき"だったものとします。
氏真の妻としての誇りと武士に向いていなかった夫婦の話。
きっと、早川殿は今川に嫁いできた時には既に北条に戻る気は一切無かったんだろうな...と思いました。
氏真様主人公の大河観てみたいなぁ...それを作れるほどの文才が欲しかったなぁ...
❀´-
その日、きらびやかな輿から出てきたのはあまりにも純粋無垢で幼げな雰囲気をまとった女であった。
見物人がわぁっ、と大きな歓声を上げる。
花嫁は嫌な顔ひとつせずに、駆け寄ってきた子供に対して優しく微笑んで、白い打掛の懐から菓子を取り出して与えていた。
氏真は今日から己が妻となる北条の娘をじっと見つめた。すると、娘は氏真の視線に気付いたのか柔らかく微笑む。
婚姻の儀式も終わった夜。寝所で氏真と娘...さきは初めて言葉を交わした。
さきは氏真よりも少し歳上だったが、中身は氏真と同じように感じられた。
「さきはもう今川の妻にございます。さきが氏真様をお支え致します故、大船に乗ったお気持ちでいてくださいまし!」
元気に微笑んださきに氏真は僅かな安心を感じた。
❀´-
「御方様、殿!!お逃げください!!」
家臣の叫び声で目が覚めた私は横で眠る氏真様を起こす。不思議と焦りなどはしなかった。
家中のものは皆一様に焦っていた。氏真様も武田の侵攻は予想していたものの、少し驚いていらっしゃっる様子だったが、それであっても冷静さは欠いていなかった。
「さき、北条へ戻れ。今なら引き返せる。娘は...」
「私は!今川の嫁です!!最後まで、この命が尽きるまで氏真様のお傍にいとうございます。今なら間に合いまする故、逃げましょう!」
肩に置かれた氏真様の手をギュッと強く握りしめる。
今川に嫁いだ時に抱いた覚悟はこれしきのことで砕けるものではない。
氏真様は少し呆れたような顔をしてから、「支度をしろ、掛川へ逃げる」と歩き出していってしまった。私は「はい!」とだけ返事をし、動きやすい着物へと着替えた。
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雪 - 麗鳴さん» こちらこそ、有難うございました！ (11月25日 21時) (
レス) id: e773ddd9f3 (このIDを非表示/違反報告)
麗鳴(プロフ) - 雪さん» はい、こちらもCSの方に記載をさせて頂きます。素敵な関係を組ませて頂き有難う御座いました! (11月25日 19時) (レス) id: 1791397141 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 麗鳴さん» 了解しました。他に大丈夫でしたら、CSに記載させていただいてもよろしいでしょうか？ (11月24日 20時) (レス) id: e773ddd9f3 (このIDを非表示/違反報告)
麗鳴(プロフ) - 雪さん» 了解致しました。こちらからは「氏康さん」と呼ばせて頂きたいです。 (11月24日 19時) (レス) id: 1791397141 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 麗鳴さん» 了解しました。では、呼称に移らせていただきますね。氏康からは、「早輝ちゃん」「早輝」、と呼ばせていただいてもよろしいでしょうか？氏康のことは好きにお呼びください。 (11月23日 11時) (レス) id: e773ddd9f3 (このIDを非表示/違反報告)
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