26.煽りに煽りを重ねて ページ26
「………！A……！」
『ふぁっ！？』
「あー！やっと起きた！」
突然聞き覚えのある声に名前を呼ばれ、私は驚いて目を開く。
顔をあげると、棗が頬を膨らませて腰に手を当てていた。
「授業中ずっと寝てたんだよ？」
『……あー、すまそ、』
「なんやゴリラの癖に謝って」
『○すぞチビ』
……なんか、すごい悲しい夢を見ていたような……。
思い出せない……けど、悲しい夢なんて思い出せなくていいか。別に。
「……なぁ、A」
『………………ん？』
私は机に両手を組んで顎を起きながら、背中を向き始めた棗に返事を告げる。
「……いろは歌の意味、知ってる？」
『いろは唄って……あのいろはにほへとってやつ？』
「そうそう」
意味って言ってもなぁ……、
そう渋々心のなかで考えていると、棗はくるっと体を振り返らせて、私の方を笑って向く。
「いろは唄の“色”が、相川だったらどうする？」
『……は？意味わからん』
「……くくっ、……いずれ嫌でもわかるんじゃない？きっと、もうすぐ。」
棗は何かを知っているかのようににししと笑う。
その微笑みは、あまりにも麗かで、不気味だった。
『何？気持ち悪っ』
「あ？」
『やーいチビが怒ったー』
「もしもしポリスメン？」
ってか、その肝心の真冬はどこなんだか。
教室を見渡したら、巨人だからすぐにわかるはずなのにいない。
『……あの巨人は？？』
「え！？わし巨人！？」
『んなこと言ってねぇだろ』
少し茶番を交えて、私は棗の返答を待つ。
すると、棗はまたにししと笑って、
「職員室……とか？」
『は？なんで？』
「お？お？そこ聞いちゃう？聞いちゃう？」
『なんだこいつうぜぇ！！』
なんだよこいつ！！
私が真面目に聞いてるっていうのにさ！……
「え！？Aが相川のことで真面目！？えええええええ！？！？」
『お前もうだまれやぁぁぁぁ！！！』
煽りに煽ってくんなバカぁぁぁぁぁぁ！！！
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つむぐ - やのさんの作品、どれも面白かったです！別垢になってもずっと応援してます！お疲れ様でした！ (2020年8月11日 18時) (
レス) id: 88b02305d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきか - 小説の最後の意味教えてほしいです (2019年10月27日 21時) (レス) id: f42ad21887 (このIDを非表示/違反報告)
ヽ(・∀・)やぁ - お久しぶりです。受験勉強で見れてないうちに...。新しい垢見つけたらコメントしますね！ずっとずっとやのさんの作品が大好きです！ (2019年7月9日 6時) (レス) id: f277aaf274 (このIDを非表示/違反報告)
ここね(プロフ) - あなたの作品が大好きです！今回の作品も号泣させていただきましたw別アカになろうが必ず見つけ出します！ (2019年6月16日 9時) (レス) id: f16806af0a (このIDを非表示/違反報告)
Rmd(プロフ) - 今作も遅くなりましたが、読ませて頂きました。最後のつっかえる感じがとても好きです。また、貴方の書く作品に出会えたら嬉しいなと思います。お疲れ様でした！！！(^^) (2019年5月5日 23時) (レス) id: 4a935f5230 (このIDを非表示/違反報告)
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