15.最強 ページ15
『あぁもう、……どこにいるんだよ……』
放課後、僕と魔物は早速遊びを始めた。
あの女の子とまふくんは今屋上で、学校の監視カメラを使って映像をみているみたい。
ここは空き教室。開始したときから5分はたった。けど、中々見つからない。
時間は無制限なので、大丈夫だと思うけどやっぱり心配だ。
くそっ、こういうとき冷静なまふくんがいれば、……
今更後悔しても遅いのに。
するとどこからか、僕が大嫌いな声が聞こえた。
「もー、生徒会なんだからしっかりしてよ。特別にヒント教えてあげる♪」
満足そうな低い声。やっぱり魔物のあいつだ。
テレパシーでも使ってきたんだろ。
「“始めから”かな?これ大ヒントだから、頑張って探してね〜」
するとその瞬間、声は途絶えた。
……始め?もう一回来た道を戻るってこと?
……でも、あの魔物のことだし、引っ掛けかもしれない。
『……ど、どうすれば、』
何が生徒会長だ。
まふくんがいないとなにもできないただの役立たずじゃないか。
思考が追い付かない。無理だ。僕は、僕は……。
「天宮くん!……」
高めの声が聞こえ、僕は振り替える。
後ろには息を切らして僕の名前を呼んでいたまふくんがいた。
「……ま、魔物さんにっ、……お願いして、僕も参戦させて、もらうことになったのっ、……。
だから、だから!……」
まふくんは震えてズボンの裾をつかんでいる。
そんなまふくんの不器用な優しさに、僕は目を丸くした。
『………………うん。』
けど、まふくんのその不器用な優しさが嬉しくて、僕はにっこりと微笑んだ。
まふくんは嬉しそうに安堵し、僕と笑いあった。
「……あのね、僕が推測するに、“始めから”って言うのは“引き返す”ってことじゃない。“スタート地点に戻る”ってことだと思うの。」
『それじゃあ、……』
スタート地点、そういうことなら、魔物がいる場所って……
「『屋上!』」
僕たちはふふっと笑い合いながら解答を告げた
『早速いくよ!まふくん!』
「……うん!」
僕はまふくんの手を繋いで、屋上へと向かっていった。
僕とまふくんなら、どんなことだって最強
心の底から、そう思ったんだ。
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ましゅ - そらる吸血鬼えろるすぎやr((( めっちゃ好きです!! (2022年7月17日 9時) (レス) @page35 id: de60ba5332 (このIDを非表示/違反報告)
蒼也 - 440票目ゲット!シャー↑ (2019年7月15日 23時) (レス) id: 86451e69dd (このIDを非表示/違反報告)
利闇涙(プロフ) - 初コメ失礼します!めっっっっっちゃ感動しました!とても面白かったです!完結おめでとうございます!お疲れ様でした! (2019年5月11日 12時) (レス) id: da6ca6fcda (このIDを非表示/違反報告)
やの(プロフ) - 夜空(主にDS)さん» おぉぉぉぉwwありがとう!!wwあんまりやると怒られちゃうかもだから気を付けてね!w(でも小説の感想だからワンチャン大丈夫かもw) (2019年3月30日 0時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(主にDS)(プロフ) - うらたん、いい人だったw吸血鬼、萌えた(萌えはてたわ)私も長々とコメしてるやつにちゃんと返してくれるやのん好きよ← (2019年3月30日 0時) (レス) id: 1e511e327c (このIDを非表示/違反報告)
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