1.ぷろろーぐ ページ1
「……勇者に倒された吸血鬼は、何も言うことなく、光に呑み込まれてしまいました」
小さい頃、今は亡きお母さんから聞かれた、吸血鬼のお話。
物語では、吸血鬼はいつも悪者で、私はそれが何でなのかと疑問に思っていた。
『おかあさん、どうしてきゅうけつきさん、ひかりにのまれちゃったの？』
「ふふっ、それはね？吸血鬼さんが、自分が悪いことをしたーって、ちゃんとごめんなさいしているからなの」
『きゅうけつきさん、またゆうしゃさんとあえるかな？』
「えぇ、今度は良い子になって、きっと会えるわよ」
『わたしもあいたいなぁ、……』
吸血鬼が人の血を吸う、悪い妖怪だってことは知ってた。
でも、吸血鬼と話してみたい。吸血鬼と仲良くしてみたい。
子供の頃の私は無邪気で、純粋で、すごく輝いてた。
……でも、……
「……佐藤さんって、いつも地味だよね〜、」
「あー、わかるわぁ、なんか、いると下がいて安心みたいな(笑)」
影でこそこそと言われる私の容姿。
眼鏡をかけているし、前髪も長い。
今の私は地味で、影でこっそりと生きている人間。
多分、それがきっと運命だったんだから。
私はそれを変えようとはしなかった。
お母さんが亡くなった今、変える勇気すらなかったから。
虐めとまではいなかったが、当番をやらされたりなど、たちの悪いことはたくさんされた。
「あ、佐藤さん！これから塾いかなきゃでさ！」
「佐藤さん用事ないでしょ？だから放課後の掃除当番、やってくれる？お願いねー！」
そういって笑顔でスタスタ去っていく女子たち。
あの人たちは塾なんて通ってない。ただ、遊びたいだけだろうなぁ、……
そう胸にモヤモヤとした感情を抱きつつも、結局は逆らえないのだ。
私はため息をつきながらも、箒をとり、サッサッと、教室のゴミを集めていた。
.
『…………はぁ、』
帰り間際、私はため息をつく。
この春から新しく高校2年生になったが、現状は１年生の時と全くかわらない。
夕焼けの帰り道は、どこか寂しく感じた。
『……私、生きてる意味あるのかな』
信頼できる友達もいなくて、お父さんにも相談できなくて、
ポツリと呟いた言葉は、誰にも聞こえないし、誰も聞こうとはしない。
それが自分という存在が今ある代償なんだから。
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ましゅ - そらる吸血鬼えろるすぎやr((( めっちゃ好きです！！ (2022年7月17日 9時) (
レス) @page35 id: de60ba5332 (このIDを非表示/違反報告)
蒼也 - 440票目ゲット!シャー↑ (2019年7月15日 23時) (レス) id: 86451e69dd (このIDを非表示/違反報告)
利闇涙(プロフ) - 初コメ失礼します！めっっっっっちゃ感動しました！とても面白かったです！完結おめでとうございます！お疲れ様でした！ (2019年5月11日 12時) (レス) id: da6ca6fcda (このIDを非表示/違反報告)
やの(プロフ) - 夜空(主にDS)さん» おぉぉぉぉwwありがとう！！wwあんまりやると怒られちゃうかもだから気を付けてね！w(でも小説の感想だからワンチャン大丈夫かもw) (2019年3月30日 0時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(主にDS)(プロフ) - うらたん、いい人だったw吸血鬼、萌えた(萌えはてたわ)私も長々とコメしてるやつにちゃんと返してくれるやのん好きよ← (2019年3月30日 0時) (レス) id: 1e511e327c (このIDを非表示/違反報告)
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