【歌い手】能力なんかなくたって

癒しの強者見参！ ページ8

「Aー！課題見せてー！」





『響希さん、また忘れたの？』







「あ、私もー！」






「じゃあうちもー！」







「皆ずるい！私も！」






『こらこら、しょうがないなぁ……』







いつもの日常……のはずなんだけど、神崎さんがいない





皆寂しさを紛らすのに必死なんだななんて思う






朝の集会で私の虐めは更にエスカレートしていった







んだけど……






ー昼休みー



じー






……なんか誰かに見られているような






もう正体はわかってるんだけど、





私は立ち上がり、教室のドアを開けた







「ひゃっ！？」







『……あの、なんですか？





・








・






坂田優さん』







すると坂田優はキメ顔をして起き上がろうとしたが








「っあ……腰、やられたぁ……」






な、涙目になっちゃった、けど、……






「うわ、あいつ坂田さま泣かせてるよ」





「弱者だのなんだのいってたけど、裏で動いてんじゃない？w」







……はぁ






私はため息をついて、坂田優に手を差し出した






『はい、これでたてる？』






すると坂田優は嬉しそうな顔をして、





「うん！」とうなずき、私のてをとって立ち上がった






「俺、坂田優！君は？」






有名と気づいてないのだろうか、わざわざ名前をいってくれる






『……強者に名乗る名はない』






私はきっぱりと断ると、






「えー！？なんでぇ！？」





坂田優は駄々をこねた







『う、うるさっ……』





「ええやん！俺仲良くしたいねん！

集会のとき、ものすごおかっこよかったから、お友だちになりたいだけやのに……」





坂田優は人差し指を合わせて拗ねている





か、可愛い……





じゃなくて！






『別に、友だちならいくらでも作れるでしょ』






私は見下すような言葉をはいた





「違うねん！お友達は、互いが選らばなお友達じゃないんやで！？」







互いが選ぶ……







『私は選んでないけど』






「俺が選んだのー！」






「おーい、坂田ー」






あ、浦田渉だ






『ほら、呼んでるよ、君の友達』






「あ、ちょ！……」





私はそう告げてがしゃんっとドアを閉めた









「俺絶対諦めへんから！」






「は？何が？」

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