【歌い手】能力なんかなくたって

大人と子供 ページ12

「で？君はどうして先生を背負い投げしたのかい？」





『……』





理事長先生の、伊東司、能力は「心」人の心が読める……なのに私に聞いてくる





優しくて賢く、先生や生徒からも人気を誇っている我が校自慢の理事長らしい







「能力使えばいいって、ちゃんと生徒の口から聞きたいな？」







『……』






やっぱり心読まれてんじゃん







「……話さないならいい。君にはまた同じことを繰り返さないよう側近を二人つけるから。入ってきて。」







すると理事長室に









『……！？』







一ノ瀬彼方と、相川真冬が入ってきた






「君たち二人には、今日一日、この子の側近をしてもらうよ」






『そ、そんなのいらないです！』






めんどくさいことに巻き込まれるに決まってる







「でも、君がまた同じ過ちをおかさないように、二人に監視してもらわなきゃ」









そんな……






ーーーーーーーーーーーー






「ほえー、監視、」






「ってな訳だから、よろしく」






『よろしくじゃないよ！もう！……』






私が優と一ノ瀬彼方に腹をたてていると、怖いのか、肩をビクッと揺らす相川真冬







こんなんじゃろくにお昼も食べられない……(泣)







「前はあんなに泣いてたのにね？」







『……うっさい！』







一ノ瀬彼方、こいつSだな







優、君をはじめてまともだと思ったよ……







……にしても、相川真冬は中々話さないな、







多分私がいて気まずいのだろう








悪いことをしたな






なんて思って、心のなかで謝った








「そういえば、背負い投げなんてAもすごいな！」






優が私を褒める





『能力使ってないから、体術で応用してるの』





「……あー、能力どのくらい使ってないんだ？どんな能力かは知らないけど」






一ノ瀬彼方が私の話を聞いて質問してくる






『……えと、もうかれこれ7年ぐらいは使ってない』






「「7年！？」」






一ノ瀬彼方と優が見事にはもって目を見開く






『多分、……感覚覚えてないから、あのとき、一気に使おうとしたら、暴走がやばかったかも』







「まぁ、Eランクはコントロールがうまくないやつが多いから、それはしょうがないよな」







『ん、私がEランクになった１つの原因がそれ』






私は頷いて一ノ瀬彼方に共感する






あのとき能力を使っていたら、この学園を消してしまうかもだったんだ__

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