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「ど、どう？」
桃「完璧！」
あの後私は、あれよあれよという間に店員さんによってメイクをほどこされた。
望くんはずっと隣にいて、満足そうに頷きながら私の顔を覗き込んでいた。
わけもわからないまま家に帰って、買った服に着替えて、今に至る。
「ほんとに変じゃない？」
桃「うん、可愛い」
同じようなやり取りをずっとしているうちに、崇裕くんの部屋からジリリリと目覚ましの音が鳴る。
音が鳴ってすぐ、崇裕くんがリビングにやって来た。
桃「兄ちゃんおはよう！」
紫「ん？ んー、おはようのんすけ、Aちゃん」
恐る恐る振り返ると、あんまり目が開いていない崇裕くんが立っていた。
桃「兄ちゃん、Aちゃんどう!?」
紫「どう？ どうって？」
桃「よう見てや〜。上から下まで俺プロデュースやで！」
目を擦りながら近付いてくる崇裕くん。
私じゃない私を見られているようで、なんだか恥ずかしくて、ずっと床を見つめていた。
紫「昨日とずいぶん雰囲気ちゃうなぁ」
「変、だよね……」
紫「ん？」
「やっぱり、私には似合わないというか……」
紫「え、なんで？ めっちゃかわええやんか」
私の顔を覗き込んだ崇裕くんが、ふわっと笑って言った。
心臓がうるさいくらい、ドキドキしてる。
紫「どしたん？ 顔赤いで？」
「だ、大丈夫だから」
紫「それならええけどやな……しんどなったら言いや？」
「うん……」
しどろもどろする私は、それを見た望くんがニヤニヤしていることは知る由もない。
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作者名：ずみ | 作成日時：2018年2月6日 19時
