虹ヶ原リバーハウス３ - JW

122 ページ28

.



- side Fuji -




俺と望はすぐに仲良くなった。


高校を卒業してすぐ、俺はそのままカフェに就職した。


高校生になった望もカフェでバイトしとって、俺と同じように卒業後はそのままカフェに就職した。



『流星くんと望くんって、仲良いんですか？』



カフェでパンケーキ始めたら流行りだして、店長の大倉くんと望を目当てに、女性客がたくさん来るようになった。


お客さんに話しかけられると、望は決まってこう答える。



桃「俺と流星はマブダチやからな！」



望と仲が良くなるほどに、俺は罪悪感にさいなまれていった。


マブダチなんて言うてくれとる望は、ホンマのことを知ったらどうするんやろか。


それを知ってて、俺が望の友達として一緒におることに、幻滅するやろか。



そんなとき、オトンが死んだ。


オカンが望を連れて葬式に来るんやないかとヒヤヒヤしたけど、そんな心配はいらなかったみたいやった。



オトンと暮らした家に俺ひとりで住むのは少ししんどくて、家を出ることに決めた。


それを望に言ったら、なんでか慌てて「俺も一緒に住む！」なんて言うて。


「遠くに引っ越すわけちゃうで」って言うても「いや、俺も家出ようかなって思っとったし！」って。



そういうわけで、俺と望はこのシェアハウスに住み始めた。



.

123 のんちゃんの長風呂→←121

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す