虹ヶ原リバーハウス１ - JW

29 重岡くん ページ30

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現在、朝の8時。


朝ごはん、もぐもぐ、おいしい。



「いてこますぞ……」


黄「何か言うたか？」


「ホンマに使う人初めて見た……」


紫「ごめんって〜」


「あ、おいし……」


橙「ちゃんと出汁からとってみてん！」



今朝の濱ちゃんが度々フラッシュバックしながらも、黙々とご飯を口に運ぶ。



「おいし、おいしい……」


桃「あーもー！ 濱ちゃんショックでAが変になってもうた！」



紫「A……ご、ごめんな？」


「おいし……」



私が玉子焼きを口に運ぼうとしたとき、淳太くんのスマホが鳴った。


スマホを手に取ったはいいものの、なぜかもたもたしている。



青「淳太、鳴ってんで」


黄「わかっとるわ」


「えっ、もしかして機械音痴？」


橙「あ、Aがショックから戻ってきた」


黄「うるさい！ ……あー、はい、もしもし？ はい。え、今日!? 大丈夫ですけど……え!? いまなんて!? ちょ、え!?」



やっと電話に出ることが出来た淳太くんは、会話もそこそこに通話を切り上げた。



黄「最悪や……」


橙「淳太くん、どないしたん？」


黄「……新しい人が来んねん」


紫「ええことやん！」


黄「ちゃうねん……」



頭を抱えた淳太くんを見ながら、味噌汁をすすろうとしたその時――。



？「たのもーーーーーー!!!」



桃「えっ!? デジャブなんやけど」


「デジャブが多いな」


青「ん？」


「いや、こっちの話」



頭を抱えたまま、いっこうに動こうとしない淳太くん。



橙「行かんでええの？」


黄「行きたないわ……」


橙「行かなアカンやろ」


黄「はぁ……」



渋々立ち上がった淳太くんを、私たちは見送った。



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