噂はひとり歩きしない ページ39
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めんどい状況になったな〜。
チーノは心のなかでそう呟いた。
目の前にはロボロとひとらんらん。いつだかAが言っていた、最悪のハッピーセットである。
「ほんま俺の彼女かわええわ……」
「良かったね」
にこにこと笑うひとらんらんは、ロボロのいう彼女が誰だか知らない。
ひとらんらんが笑顔なのは、ライバルが一人減ったからだ。ロボロの恋人には微塵も興味はない。
それを理解しているから、チーノはいつロボロが名前を出すのかひやひやしている。
早々に撤退したかったが、ロボロに引き留められてしまえば無理に逃げることも叶わない。
チーノはひとらんらんのことは詳しくないが、ゲーム製作にあたり、Aを手に入れるためにはどんな行動を起こすか訊いている。つまり、おおよその人物像は見えている。
絶対に怒らせていけない。それがチーノがひとらんらんに下した判断だった。八方美人で世渡り上手だと自覚のあるチーノは、その判断は間違っていないと確信している。それゆえに、この空間から一刻も早く離れたかった。
「チーノはロボロの彼女に会ったことあるの？」
「……もちろんですよ！」
実際はロボロの彼女ではないが、ここは穏便に済ませたい。ひとらんらんの指す「ロボロの彼女」とは面識があるし、嘘はついていない。
突然話しかけられて驚いたが、おくびにも出さず返事をする。
「へえ、Aよりかわいいの？」
チーノは席を立った。
しかし、この場から離れるよりもロボロが答えてしまった。
「なに言うとんの。そのAが俺の彼女やねん」
周囲の温度が一気に氷点下まで落ちた気がするが、気のせいではないだろう。
恐る恐るひとらんらんの方を向く。絶対零度の瞳がロボロを射ぬいていた。視線で人を殺せるなら、きっとロボロは十回は死んでいる。
睨みあう二人と、棒立ちのチーノ。チーノは天を仰いだ。
「チーノ、そうなの？」
右から地獄の底から出したような声がのしかかる。
逃げたい気持ちを抑えながら、少し震えた声で答えた。
「ロボロさんが勝手に言ってるだけです」
「は？」
今度は左から噛みつくような声が刺さる。
どちらを敵にしても駄目だ。しかしこの状況はどう打破すれば良いのだろう。
両サイドから聞こえてくる互いを威圧するような声を背景音楽に、チーノはAとの幸せな時間を妄想し始めた。
狂気に耐えきれず、この空間で一番まともなチーノが潰れた。
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サトウキビ - なんかすごかった(？)ヤンデレてこんなにも種類あるんやなぁあと作者さん語彙力ヤバイ(？)チラチラなんか違和感？みたいなんはあったけどほんまにヤンデレだったとは(？)作者さんこんな神作品を出していただいてありがとうござました！本当に面白かったです！ (6月29日 5時) (
レス) @page36 id: a13e5d0e47 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - 少々時間がたった後のコメントすみません。。！！がちで最後の展開が好きすぎました！！ヤンデレをこれからも愛していこうと思います！ (2022年1月26日 15時) (レス) @page36 id: ac6e1f1de0 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - みるくさん» 初めてご覧になったのが私の作品なのは少々照れますがそうおっしゃっていただけると作者冥利に尽きます。こちらこそ嬉しい感想をありがとうございます！ (2021年8月22日 0時) (レス) id: 0958f2ac72 (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - 1年と少し前、タイトルに惹かれて初めて占ツクでwrwrdの作品を読ませていただきました。とてもよいジャンルを発掘させてくれた作者様には感謝しかありません。ヤンデレに目覚めたのもこの作品のおかげです！最高でした！！ (2021年8月21日 19時) (レス) id: 53dee64276 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - みひろさん» ありがとうございます！！！そう言っていただけて嬉しいです！ (2021年6月16日 0時) (レス) id: 35d3ae5fee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：脳内お花畑
| 作成日時：2020年10月5日 21時
