何故か組織に気に入られちゃったんだけど【ジン】 (ページ21)

今日:14 hit、昨日:3 hit、合計:39,736 hit

21 ページ21

車の運転は怖かったけど、かなり速度をとばしてくれたお陰で、無事に仕事に間に合うことが出来た。

絶対誰かしらは今朝のことを聞いてくるかもしれないけど、そこは上手く誤魔化そう。そう思いながらスタッフルームに行くと、予想どうり私の噂をしていたらしく、皆が一斉に私の方を向いてきた。

うわ、怖。ここまであからさまに一斉に見られると･･･ねぇ。照れちゃ((殴
ってこんな冗談めいた事考えてる場合じゃないわ！私の苦手な人が満面の笑みを浮かべながら近づいてきた！逃げなきゃ。体をくるりと反転させた所で･･･捕まった。最悪。

「ねぇ、白銀さん？」

『何ですか？』

話しかけられたら流石に無視するわけにはいかないので、本当は話したくなんてないが返事をする。が、この時の私はかなり引きつっていたと思う。

「今日の朝ぁ、白銀さん送ってくれてたのって彼氏ぃ？」

･･･。いい歳の人が語尾伸ばして話すの辞めろやとか思いながら話を聞くと、どうやらジンさんと私が付き合ってると思ったらしい。

『違いますよ。今私には彼氏はいません。そろそろ仕事始まる時間なので、失礼しますね。』

そう告げてから今日の担当場所まで向かった。

「ちょっとぉ、話勝手に終わらせないでよぉー」

うーん。後ろで何か言ってる気がするけどいいか(笑)

因みに、今私に質問してきたのは私の苦手な先輩である。何で苦手かって？そりゃあ、ねぇ。あの話し方と、人を見下す態度、自分の思い通りにならないとかなり面倒くさい事を引き起こすから。他にもあるけどね笑

取り敢えずは先輩から逃げ出せたと一息着いたところで、

「あぁー！白銀さんも今日受付なの？」

よりによって、その先輩と今日のフロアが被ってしまったらしい。もう本当に最悪。心を無にして頑張ろう笑忙しければ話してる暇もないしね。

と思ってたのに、今日に限って暇。眠くなってきた。けど、いつお客様が来るか分からないから欠伸なんて出来ない。必死に欠伸を堪えていると、先輩に話しかけられた。

「ねぇ、本当に今朝の彼と付き合ってないのぉ？」

『だから、朝も言った通り、彼氏でも何でもありません。』

「だったらさぁ、彼に私を紹介してぇ！」

は？何を言い出すんだ、この人は。

『一応聞きますけど、何で紹介して欲しいんですか？』

「だってぇ、今朝乗ってた車、今じゃ手に入らない高級車よ？お金持ちなんでしょぉ？彼。」