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『えっへん。変装の達人だからね笑』
「いや、そんなもんで達人とは言わねぇなぁ。ベルモットの方が凄い」
・・・冗談で言っただけだったんだが、本気で捉えられてしまったらしい。
『そんなことより、時間!!本当にヤバイ!!』
後30分で仕事が始まる時間になってしまっていた。いつもはバイクで行って25分位かかるのだ。今から急いで行っても間に合うかどうか微妙なラインだ。
そんなことを考えながら1人でテンパっていると、ジンさんは
「じゃあ仕事場まで送ってってやるよ。」
と言ってくれたが、正直バイクと車じゃ対して時間が変わるようには思えない。下手したらバイクの方が早いんじゃ・・・なんて考えていると、ジンさんに腕を引っ張られて駐車場まで連れていかれ、車の中に押し込まれた。
『ちょっと、マシで腕痛かったんだけど』
「舌噛まねぇ様にしっかりそのお喋りな口閉じとけ」
『いや、私の話スルーかっっ!?』
最後まで言葉を言う前にジンさんはアクセルをベタ踏みしたため、最後まで言うことが出来なかった。
いや待って、怖い怖い怖い。ジェットコースターより怖い。これ絶対交通違反だよね!っていうかこの道何!?
私は怖すぎて鞄に皺ができるくらいギュッと握って、ついでに目も瞑っていたら突然の急ブレーキで驚いて思わず目を開けると、もう私の職場に着いていた。
「ほら、着いたぞ。早く降りろ」
『っっ、早!!』
「そらそうだ。時速200キロでとばしたからな。」
・・・私の隣にいる人はアホだ。いくら急いでいるからと言ってなんでそんなスピードを出すんだよ。
『警察に捕まるよ!っていうか、職場の近くでこんな爆走しないで!!』
現に、同じ職場の人達がチラホラと出勤していく中でほとんどの人がこちらの様子を見ながら通っていく。
これ絶対職場の人達に質問されるやつじゃん。めんどくさいことは避けたいのに・・・
「ほら、せっかく送ってやったんだから早く行けよ。送った意味無くなっちまうだろうが。」
いや、お前のせいで今真剣に悩んでるんだからな(怒)
でも送ってくれた傍らそんなことは言いずらい。ちょっとした反抗のつもりで、ありがとうの後にあっかんべーをしてから車を降りてやった。
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箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年4月17日 21時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウナン | 作成日時:2018年10月26日 23時