山姥切長義に惚れてしまった【刀剣乱舞】 (ページ13)

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第十二話【涙の血】ページ13

私は過去時計機械へ近づき、ダイヤルをカチカチと捻ってみる。やはり変わりはない。そもそも、布男は聚楽第を救うためにこちらに送られて来ていたはずなのに、やっていた事がバレると廃棄する意味がわからない。確かに、裏切り行為ではあるのかもしれない………
だがしかし、これはどういう事だ？

「こんなの、政府がこの世界を諦めたと同様じゃんか！…ははっ、笑える。全部私のせいか」

そう、全て私のせい。私のせいで世界が滅ぶ。私の今立っている場所が、全てが消える。音も無く、間も無く、光も無く。虚無に消える
まるで私が悪役みたいだ、きっと政府は私を悪に仕立てあげて全て終わらせる気なんだ。この並行世界が消えたって、彼らにはまだ無数に世界はある
めんどくさいから捨てちまおうってか。ははは、人でなしにも程がある。私が言えたことではないと思うけ＿＿＿

「＿＿ふざけるな」

痛い。布男に胸ぐらを掴まれた
私を睨むその表情には、様々な色が見える。怒りに悲しみに、憎みに妬み。全てが見えるようだった
……人(？)を怒らす天才だったかな？訂正します

「あぁそうだ。全てお前のせいだ」

グサリと心臓に釘が打たれる
改めて言われると心にくるものがあるから、やめてほしい

「だからどうした。だからどうする
お前が今できることはなんだ。なんのために此処に立っている。なんのために……俺達がいると思っているんだ」

ぐさり、グサリと刺してくる釘が、心臓の血を溢れさせる
あぁ、溢れさせてしまったせいだ。目から何か別のものが溢れてきただろう。責任取れ布男

「…………それが涙か」
「違うよ。色素のない血液だよ」
「…それを涙と言うのだろう。人間は」

恥ずかしいな。こんなガチ泣き見せてしまうなんて
私は碧眼の美しい目から逃れたくて、俯こうとしたが、顔を両手で押さえつけられた。そうして…布男は私の目元を優しく親指で拭った
なんだそのイケメン行為。流石長船派、やることが違うね

「……絶対惚れないからな」
「笑わせるな。惚れられてたまるか」

お前、やっぱ嫌い

Prolog END