第五話【謝罪の言葉】 ページ6
___嫌だ。どのくらい嫌かって?
地球が破滅すると聞いた時ぐらいに嫌だ。聞いたことは無いが、つまりは私の全てが否定されるぐらいに嫌だ
何が嫌かって?
君、この状況を見たまえよ。審神者部屋に謎の男もとい政府の犬と二人きりで正座して向き合ってるんだぞ。死ぬほど嫌だしなにか喋れよ陰キャかよ(クズ)
そう。事の発端は、ほんの5分前ぐらいだった。歌仙がこの政府の犬に謝罪しろと言いたげたようににこやかに笑ってくるもんだから、変な気を張った私が(みんなの前で頭を下げたくない私が)二人きりにさせて欲しいと頼んでしまったんだ。全部あの文系ゴリラのせいだ。覚えとけよ
「……さて、審神者 A。説明をしてもらおうか」
ひええ喋った…。
「今回の有り様について、政府に報告をしなければいけない」
__……なるほど、それはめんどくさいゾ
どうにか回避したいものだが、今逃げだしたって襖の前に歌仙と長谷部がついていることぐらい私にはわかる。そこまで馬鹿じゃないんだよ私だって。学ぶ人間なのだよ?舐めてもらっちゃ困るね
「じゃあこう伝えてくれたまえよ。布男くん。『私はお前らに従う気は毛頭ない。あったとしても広大な砂漠から一本の針を探すようなものだけどね』って!」
「布男……?」
おっとそこか。我が名言に震撼してもらいたかったところなのだが?てか布男に気を取られて名言聞いてなかったのでは?おい布男?もしやプライドが高い系男子か。大丈夫、うちのまんばちゃんと仲良くやれるよ布男同士。てか共通点多いよ君らどうしたの?幼なじみ的なあれですか
「とにかく!私は謝る気は無い!何があっても謝らないからな!絶対に!たとえ時計が反対に回り出しても!」
「ただの時計の故障だろう」
現実的だ。熱くなれよ、刀剣男士だろ。兼さんを見習いなさいよ。この間このセリフを言ったら『それって…つまり過去に戻っちまうってことか!?』って言ってたよ。可愛いね世界一かっこいい兼さんだよ
「いや、謝罪などは期待していなかった。斯く言う俺も謝罪する気なんて無い。こんな貧乏クズ審神者になんて」
…………………………は?
こいつ、今なんて言いやがった?『お金持ち最高。マジリスペクト審神者』?あぁ、なんだ。褒められたのか。びっくりし
「貧乏クズ審神者、だ。クズ審神者」
「は?」
100歩…いや、1億歩譲ってクズは許そう
貧乏……?今、貧乏と言ったな?
一体全体、誰のせいで貧乏なのかを知らないようだ
80人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:絶望少女 | 作成日時:2018年11月17日 22時