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またね､A
「───んっ」
「───···また､あの夢か」
最近頻繁に見るようになった夢
声だけは何処かで聞いた事が有るような気がするが､容姿が全く分からない
思い出そうとするほど頭痛が酷くなる
「(声からして女性の様な気がした)」
男性の様な低い声では無かったが､最近の女性でも男性の様な低い声を出す人も居るので性別がどちらかなのかは定かではない
右にぐるっと回るとギシッと音が鳴る
数時間前に私は学校から帰ってきた
もう直ぐ長い休みに入るので､学校は四時間授業になったばかりだった
先週は期末
「今､何時だろ」
腕時計を見る､時計の針は午後五時を示していてまだ少し明るいが､太陽は沈みかけていた
「(通りでお腹が空いた訳だ)」
今日は何を作ろうか
私は下のキッチンへと向かった
＊
腹ごしらえした後､上着を来て外に出た私は､毎日欠かさず行っている運動を始めた
家の近くの道を走るだけのコースだ
「(今日もあの夢を見るのだろうか)」
懐かしいと思うのに､思い出す事の出来ない記憶｡声の主はきっと私の覚えている記憶の中には居ない存在｡答えは､昔の知らない記憶の中にあるはずだ｡だが､思い出せないのが現状である｡
「···道､間違えた」
考え事をしていたら道を間違えてしまった
来た道を戻ろうとする
しかし､後ろから謎の視線を感じて､後ろを振り向くと刃物のような何かが光って此方に向かってくるのが見えた
私は咄嗟に自分の能力を使う
禍々しく光る黒色の大鎌は､相手の刃物をいとも容易く弾いた｡弾かれた刃物は壁に刺さり抜けそうにもないほど深く刺さった
「···お前は誰だ」
深く刺さった刃物を引き抜いて此方を見つめる誰か(フードを被っていて姿が見えない)はにやりと不敵に笑い走り出した
刃物を振り回してくるのを私は大鎌で弾く
「本当の力を解放しないのかい？」
「···何故､その事を知っている」
私の力は二段階ある
一つ目は形状変化､剣や弓に変化させられる
二つ目は振り回すだけで風を起こす､強く振れば台風並の風が､弱く振ればそよ風程度の風を起こす事が出来る
どちらも属性は付与されないが
強力でそれ故に代償も多少はある
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作者名：揚げ豆腐 | 作成日時：2018年8月25日 2時
