【d!】異世界人召喚の儀式Ⅱ (ページ30)

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79.使用人区域ページ30

それから数日後…

『(念願の幹部区域以外の見学！)』

Aはある幹部と共にその場所へ向かっていた。

ut「随分とご機嫌やな」

『だって何度やっても行けなかったんですよ？』

ut「まあ、せやけど何で僕なん？」

『だって鬱さん色んな使用人と仲良いじゃないですか』

Aは幹部を選ぶときある事に気をつけていた。もし、皆の言う通り幹部区域以外の使用人や兵士があまり宜しくなかったら上手く対処出来るかどうかだ。ちなみに今日は使用人区域なので鬱を選んだそうだ。

ut(まあ…確かに適任やな、ホンマ良く考えとるわ)

しばらく進むと目的地の区域に到着する。

『(へ〜ここからか〜、確かに幹部区域よりも使用人多いいなぁ)』

Aと鬱が歩き使用人の所を通り過ぎると1度手を止めお辞儀をしてくる。鬱はヒラヒラと手を振ったり、声をかけている。

『(成程、使用人の部屋はいくら貴族でも共同なんだ、それにメイドや執事はもちろんだけど庭師や料理人もいるんだ)』

ut「どうですか？初めて見る場所は」

『過ごす新鮮です！幹部区域から出たことなかったので同じ城でも違うんですね！』

ニコニコとAと鬱が話ながら見学していると、予測していた事がチラホラ起こっていた。

「みて、鬱様と歩いてるわよ」
「ほんとだわ、子供の分際で…」
「魔力なしなのに…気味が悪いわ」

ヒソヒソ

ut(あ〜せやから出ない方が良い言うたんに)

チラッと鬱がAを見る。

『(本当に違うんだ〜)』

『(それに、いい度胸してるじゃん)』ﾆﾔ

ut ((ｿﾞｸ

ut(ホンマ、恐ろしいわ〜)

やはりこの城はとても広いようで、ゆっくり見て回っると既にお昼の時間になっていた。

ut「そろそろお時間ですよ。食堂へ向かいましょうか」

『はい！』

Aが振り返った瞬間、1人の使用人がAとぶつかってしまった。

『わ！』

鬱が支えてくれて倒れはしなかったが内心驚いたA。鬱もAが怪我をするのではとヒヤっとした。

「も、申し訳ありません！！」

土下座する勢いで謝るメイドは、金に近い茶髪を三つ編みで2つにおろしたAと同い年ぐらいに見える明るそうな子だ。

『(あ、この子平民だ)』

雰囲気から周りとは違うとAは悟る。

ut「あの子、少し前に入ってきた子やよ光魔法が得意だから採用された子やわ」((ﾎﾞｿｯ

『(へ〜成程)』

そこへ1人のメイドが駆けつける。どうやら騒ぎを聞きつけたようだ。

そして、

ﾊﾟﾁｰﾝ

『(え？)』