少女は放火魔に恋をした様です。

第16話 拉【たすけて】 ページ20

……ということで１週間の休暇を突然貰った私達。
でもこれといってすることはなく、
買い物や映画など、まぁ俗っぽいことを久しぶりにする、といった具合だった。
そんな夜、
葛｢おーい、A｣
A｢んー？どーしたの？｣
葛｢ちょっとタバコ買ってきてくんねーか？｣
A｢え？切らしたの？｣
葛｢だって休暇貰うとか予想外だったから｣
A｢そっか。じゃあ赤ラークでいい？｣
葛｢おー、よろしくな。｣

taposは私の名義で作ったものだ。
お金とカードを持って私はホテル近くの自販機でタバコを買おうとした。
モブ1｢おねーちゃん、今暇ー？｣
モブ2｢ちょっと俺たちと遊ぼうぜ｣
モブ3｢そっちのホテル行こうか！｣
マジかよ只の名前ないモブが絡むか普通。
それは飲み込んで
A｢あの……私部屋で父が待ってるんですけど…｣
これでいいかな。そう思ってた。
だが、
モブ2｢そーゆーとこかぁ｣
モブ3｢それじゃぁオトーサン追い出そっか！｣
A｢え……は？｣
モブ1｢……御託はいいからとっとと部屋案内しろやゴラ｣

一人腐らせて追い払おうとしたその時、
葛｢A、なーにやってんだ？遅くね？｣
A｢あ、かさ……お父さん！｣
モブ3｢あぁお父さんか！｣
モブ1｢それじゃあ部屋空いたし、行こっか！｣
A｢え、ちょっまっ……｣


葛｢待てよ｣



その地を這うような低い声で全員の声帯の震えが止まった。
だって葛西さんは視線で人を殺せそうな鋭さを含んでいたからだ。
モブ2｢は？馬っ鹿じゃねーおぐわっ!?｣
勇気あるモブの罵声は残念ながら葛西さんの蹴りによって切られ、彼は意識を失った。
そしてどす黒いオーラのまま葛西さんがそいつに触れると、


そいつは一瞬にして火だるまになった。

モブ｢｢うわあああああああぁぁぁ！｣｣
葛｢一言言うぞ。


死にたくねーなら二度と近づくな｣

すみませんでしたぁ！という情けない声でモブは去っていく。
私はそれでもなお動けなかった。
その時の葛西さんはあまりに恐ろしく、

あまりにかっこよかったからだ。

葛｢A！大丈夫か!?｣
A｢ああ、うん大丈b｢すまねぇ！｣え？｣
葛｢面倒くさがらずに俺が行けばよかった！｣

よし、自分が惚れたという事実は無罪だ。←
だってだって、かっこよすぎだもぉん。
A｢大丈夫！ホテルもどろ！｣

葛西さんに惚れた私と、その元凶(葛西さん)は共にホテルに戻った。
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
次回！

第17話 迷【けいかくしどうまであと】葛西said→←第15話 暇【まじで】

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