遊郭へようこそ、金髪くん。【 我妻善逸 】

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「…お前さんが素直で助かったよ、ありがとな」
「いえ、お気になさらず」

「おー…悪かったなわざわざ、じゃ、俺帰るわ」





「っあ、ちょ、ちょっと待って下さい！」

手をひらりと振って帰ろうとする白髪の人に、私ははっと思い出して声をかけた。





「ん、どうした、なんか用でも？」
「えと、用と言ってもいいか分からないんですけど…貴方からも、善逸くんに言っておいてくれると助かるのですが…」


「…何て？」

「………もう、あまりここには来ないように、と」






言う時に何故か声が震えたが、私は無視をした。

絶対、とは言い難いけれど、ここにはもう来ないで欲しい。

…次会ってしまったら、……惚れそうで、怖いから。

あんな事を言われて意識しないはず無いし、ふとした事で堕ちてしまいそうだ。
一礼してお願いします、と加えた。






「…分かった、言っとく」
「…ありがとう、ございます」

「ああ、それじゃあな」






白髪の人の背中をぼーっと見つめながら、彼を見送る。……これで、いいんだ、よね？








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