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彼らと途中で合流し、一緒に沖縄そばを食べに行く。理子ちゃんのに辛子をかけようとしていた五条くんだが、慌てて避けられたので失敗していた。いやー、コイツらスゲー仲良くなってんじゃん。最初なんてビンタされてたのに。
と、微笑ましく眺めながら一口食べた途端、私はピシッと固まった。か、辛い!!!なんで!?
机を叩いて爆笑している五条くんと顔を背けて必死に笑いを堪える夏油くんを見て、誰が犯人かを確信する。仕返しにコッソリ辛子入れようとしたら、ガシッと手を掴まれた。あ゙??仕返しぐらいさせろや。
キレつつもキチンと完食し、水族館へと向かう。水族館なんて久々だな。昔、師匠に1回だけ連れてってもらったことがあったっけ。ふふ、懐かしい。
…師匠、元気にしてっかな。
そう思いながら水槽の前に立つと、ジンベイザメが悠々と泳いでいるのが見えて。その光景に、思わず目を奪われた。隣に立つ理子ちゃんは、コレを見て何を考えてるんだろ。きっと私には想像もつかないことなんだろうな。
『理子ちゃん』
「A?どうしたんじゃ」
『……んーん、やっぱ何でもない』
首を横に振った私に、「変な奴じゃな」と理子ちゃんが不思議そうに呟いた。
_____護衛3日目。都立呪術高専 筵山麓にて。
今の時刻は15:00。理子ちゃんの懸賞金取り下げからはもう4時間が経過している。
「皆、お疲れ様。高専の結界内だ」
「これで一安心じゃな!!」
「……ですね」
『あー、疲れた。何もしてないけど』
「何もしてないのに?」
「……………」
疲れた表情を隠すことなく黙っている五条くんに、「悟、本当にお疲れ」と夏油くんが労いの言葉をかけた。その笑顔を見て「二度とごめんだ。ガキのお守りは」と術式を解いた五条くんに、理子ちゃんが「お?」とキレ気味に返す。
任務は終わってなくとも高専の結界内に入った。そのことが私達を完全に油断させていたのに気づいたのは、五条くんの身体から刃物が突然出てきた時で。いや、出てきたんじゃない。五条くんが刺されて、その身体を刀が貫通している。そして、その刀の持ち主は─────
『師、匠……………?』
全員の驚愕で見開かれた瞳が、彼───師匠の姿を映した。
なぜ。
どうして、師匠がここにいる…!?
「アンタ、どっかで会ったか?」
「気にすんな、俺も苦手だ。男の名前覚えんのは」
見覚えのある不敵な笑みで、師匠がそう言った。
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おもち食べたい(プロフ) - 藍さん» あんまり良い扱いはされなかったんだろうなーということはなんとなく察してますが、主人公が言い出すのを待ってる感じですね。ただ、わざわざ自分から言うことでもないので、主人公が自分から言い出すことはしばらくないんじゃないかな…(たぶん) (10月1日 17時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
藍 - さしす達は主人公の過去というか扱いとは知らないんですか? (9月30日 18時) (レス) @page36 id: 23ef5c5b40 (このIDを非表示/違反報告)
おもち食べたい(プロフ) - ふゆねこさん» ありがとうございます!不定期更新ですが、これからも頑張ります (9月10日 22時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
ふゆねこ(プロフ) - 面白いですねぇ!更新楽しみにしておりますわわ!!! (9月10日 21時) (レス) @page11 id: cd0c30d1f0 (このIDを非表示/違反報告)
おもち食べたい(プロフ) - 日出さん» ありがとうございます!これからも更新頑張りますね (9月10日 18時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち食べたい | 作成日時:2023年9月9日 17時