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結局あのあと助けには行かず、教室でのんびり喋っていた私たち。帰ってきた2人に「なんで助けに来ねぇんだよ」と怒られたが、楽しそうにしてた2人が悪い。助けてほしけりゃ、もっと必死さを出せ。まぁどっちにしろ行くの面倒だし助けないけど。
そして今はと言うと。
「入学おめでとう!!」
『いぇーーい……………あれ、クラッカーってどうやるんだっけ』
「だから、こうやって……………あっ」
『あっ』
変なタイミングで鳴り響いたクラッカーを、至近距離で食らった硝子が顔を顰める。ゴメン。
現在、私たちは歓迎会を開いていた。飾りつけられた教室で、黒板の前に立った新入生2人に向けて拍手を送る。夏油くんと硝子は椅子に座り、夜蛾先生は腕組みをして立ち、私は硝子の隣で彼女の袖を小さく掴んでしゃがんでいた。違う、コレは決して後輩を怖がってるワケじゃない。人見知りが発動しただけだ。男子怖いとか思ってないし(目そらし)
硝子の後ろから、パーティ用の三角帽子を被り「本日の主役」と書かれたタスキをつけた新入生2人の様子をコッソリ観察する。1人は目を輝かせ、もう1人はめんどくさそうにしているな。なんだあの落差は。
一応参加した夜蛾先生は、「あとはオマエたちで勝手にやれ」とでも言わんばかりに退出した。早い。顔合わせだけして出てったぞあの人。
この後は何をするのか、と言い出しっぺの五条くんに視線を向ける。私たち3人の視線を受けた五条くんは、不思議そうに口を開いた。
「で、この後何すんの?」
「「『…………………………』」」
いやオマエじゃん、言い出しっぺは。ノープランかよ。どうしよう、新入生の1人が次の展開を期待してワクワクした顔になっている。あの顔を曇らせるのはちょっと…ねぇ?もう1人は帰りたそうにしてるけど。分かる、私ももう解散したい。
「硝子ー、こういう時ってどうすりゃいいわけ?」
「知らね。Aに聞けば?」
『いや私も知らない。夏油くんに聞いて』
「悪いけど私も知らないな」
「誰も知らねぇのかよ」
言い出しっぺにだけは言われたくない。3人の意見が一致した瞬間だった。こんなとこで一致させたくなかった。
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おもち食べたい(プロフ) - 藍さん» あんまり良い扱いはされなかったんだろうなーということはなんとなく察してますが、主人公が言い出すのを待ってる感じですね。ただ、わざわざ自分から言うことでもないので、主人公が自分から言い出すことはしばらくないんじゃないかな…(たぶん) (10月1日 17時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
藍 - さしす達は主人公の過去というか扱いとは知らないんですか? (9月30日 18時) (レス) @page36 id: 23ef5c5b40 (このIDを非表示/違反報告)
おもち食べたい(プロフ) - ふゆねこさん» ありがとうございます!不定期更新ですが、これからも頑張ります (9月10日 22時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
ふゆねこ(プロフ) - 面白いですねぇ!更新楽しみにしておりますわわ!!! (9月10日 21時) (レス) @page11 id: cd0c30d1f0 (このIDを非表示/違反報告)
おもち食べたい(プロフ) - 日出さん» ありがとうございます!これからも更新頑張りますね (9月10日 18時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち食べたい | 作成日時:2023年9月9日 17時