禪院家の怖がりちゃん【呪術廻戦】

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あの後、師匠の居場所だけ聞いて会場とは逆方向へ歩いていった直哉。そっち会場じゃねーぞ、とかツッコむ気力は私にはなかった。会場の方がざわついてるので、そのうち誰かが見つけ出して連れ戻してくれんだろ。


というか師匠の居場所なんか私が聞きたい。役立たず(意訳)と言われたのは本当ムカついたけど。一言多いんだよ。たとえ師匠の居場所を知っても、オマエにだけは絶対教えてやんねー。



宴会も少し落ち着いてきたので、休憩がてら無駄に素晴らしい庭に出たとき、「Aちゃん！」と声をかけられる。そこにいたのは、真希と真依というカワイイ双子ちゃんで。同じ"Aちゃん"呼びでも、直哉とは雲泥の差だ。なんでそんなカワイイんだよ。




「Aちゃん、さっきアイツにイジメられてなかった？」

「大丈夫か？」

『今2人のおかげで癒やされてるよ、ありがとぉ…』




ギューッと抱きしめると、苦しそうな声が聞こえる。ヤッベ、力加減ミスった。慌てて離すと、裾を引っ張られて。ヤダ可愛い。



2人に挟まれる形で縁側に座る。ここは使用人もあまり来ない穴場なのだ。サボるのにうってつけだし、日当たりもいいから昼寝にもピッタリ。ただ、最近はここに来すぎて、使用人から"Aのサボりスポット"として見られているのが気になる部分かな。




『最近の禪院家はどう？相変わらずクズしかいない？』

「いや質問内容」

「Aちゃんも相変わらずだね」

『うん？どゆこと？？？』




その相変わらずには良い意味が含まれているのか？悪い意味しか含まれてなかったのは気のせい？？



じっと2人を見つめても、満面の笑みを返されるだけ。その笑みを見て、将来は絶対美人さんになると確信する。その頃には私はオバサンだろうが、美人さんになっても仲良くしてね。




「Aちゃん、高専はどうなんだ？」

「彼氏できた？」

『アッやめて心の傷をえぐらないで…』




真依の発言で、友達が人生初彼氏ができた〜と喜んでたのを思い出した。いいよな彼氏できて。私の周りなんて、グラサンのクソガキと変な前髪しかいないのに。出会いゼロ。終わってんな高専。

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