実家に帰らせていただきます ページ18
ある日のことである。
任務帰り、微かに鳴き声が聞こえた私はキョロキョロと辺りを見回した。イヌの鳴き声っぽかったんだけど。あれ、いないな？？
幻聴？考えたくないけど、イヌの怨霊が出てたり…と考えたところで私は思考を止めた。そんな怖いこと考えて、想像でも怖がってどうすんだ。ただでさえ現実世界が怖いのに。私呪術師…というか人間向いてねぇわ。人間やめよっかな(※無理)
『ん？』
再び鳴き声が聞こえ、首をひねった。やっぱり聞こえる。良かった、幻聴でも怨霊でも………待て。怨霊説は消えてなくね？？
寒気に身体を震わせながらも、とりあえず探してみる。だが、声が小さすぎて場所が分からなかった私は、開始数秒で決意した。
─────よし、諦めよう。
聞こえなかったフリをして歩き始めると、それを責めるように鳴き声がどんどん大きくなって。ねぇコレ本当に怨霊じゃないの？？捨てられたイヌの負の感情から生まれた呪霊とかじゃないよね？？そもそもイヌから呪霊って生まれるのか？
次第に大きくなる鳴き声から逃げようとして、私はふと足を止めた。違う、コレ気のせいじゃないわ。だって橋の下になんかいるし。居場所に近づいてるから大きくなってるだけだった。無駄にビビって損したな。
橋の下に降りると、そこには「拾ってください」と書かれたダンボール箱と、さっきからずっと鳴いてる子犬が置いてある。どうしよう、縋るような目で見てくるんだが。そんな切ない声で鳴かないでよ。私イヌ飼う気ないのに。
昔は恐怖の対象だったイヌも、今となっては『まぁ可愛いっちゃ可愛いのかな…』と余裕を持てるレベルにはなっていた。成長を感じる。私スゴい(自画自賛)
ここまで来て置いていったら、神様から罰が当たりそうで嫌だ。あと良心も痛む。…おい誰だ、良心とかちゃんとあるんだって言ったヤツ。流石に我が従弟よりはありますけど？？
すっと手を出すと、媚びるよう……じゃなくて取り入ろうと……でもなくて、えーっと……………甘えるように頭を擦り寄せてきた。初対面でよくここまで甘えられるなオメェ。私そんなにイヌ好きじゃないから、あざとい行動はぜひともイヌ好きにやってあげてくれ。
とにかく、ここで議論してても良い結論が出るワケじゃない。とりあえず、高専連れてくか。
…別に考えるのが面倒くさくなったとは言ってない。言ってないったら言ってない(目そらし)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 759人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おもち食べたい(プロフ) - 藍さん» あんまり良い扱いはされなかったんだろうなーということはなんとなく察してますが、主人公が言い出すのを待ってる感じですね。ただ、わざわざ自分から言うことでもないので、主人公が自分から言い出すことはしばらくないんじゃないかな…(たぶん) (10月1日 17時) (
レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
藍 - さしす達は主人公の過去というか扱いとは知らないんですか？ (9月30日 18時) (レス) @page36 id: 23ef5c5b40 (このIDを非表示/違反報告)
おもち食べたい(プロフ) - ふゆねこさん» ありがとうございます！不定期更新ですが、これからも頑張ります (9月10日 22時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
ふゆねこ(プロフ) - 面白いですねぇ！更新楽しみにしておりますわわ！！！ (9月10日 21時) (レス) @page11 id: cd0c30d1f0 (このIDを非表示/違反報告)
おもち食べたい(プロフ) - 日出さん» ありがとうございます！これからも更新頑張りますね (9月10日 18時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おもち食べたい
| 作成日時：2023年9月9日 17時
