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頬を叩かれる感覚がして、ぼんやりしていた意識が覚醒する。薄っすら目を開けると、呆れたような心配したような、複雑な表情の硝子と目が合った。あ、本当に回収してくれたんだ。良かった良かった。
─────ところで、ここはどこですか???
『おはよー硝子。というか、こんにちは?』
「………っはぁ〜〜〜〜〜」
『めっちゃため息つくじゃん』
呑気に話しかけた私に対し、盛大に息を吐いた硝子。治療しまくってお疲れのところに頼んだのは申し訳ない。反省しました。でも特級コンビには頼みにくかったんだよ、許してくれ。
『ゴメンて、反省してるから』
「何に対して」
『忙しい硝子に回収頼んだこと?』
「Aが反省してないのは、よーーーく分かった」
反省してるのにしてないと言われた。なんでだよ。それで、ここがどこなのか教えてほしい。見たことないんですが。高専にこんなとこあったんだね。
『で、ここはどこ?』
「検死室」
『なんて?????』
「検死室」
『聞き間違いであってほしかった』
検死室?なんで?私もしかして死んだ?今幽霊だったりする??
ハテナを飛ばして顔をペタペタ触るが、いつも通り生きているとしか思えない。ホントにどういうこと??
再び大きなため息をついた硝子が、ポツリと静かに話し始める。
えー、なになに?要するに、私のメールを受け取った硝子が、ちょうどその頃帰ってきた五条くんに伝えたと?それで、教室に行った五条くんがぶっ倒れた私を見つけて、死体だとか騒ぎながらここに運び込んだと?なるほどな、犯人は五条くんか。誰が死体だ、呼吸とかちゃんと確認しろよ。私は禪院家がぶっ壊れるのを見るまで死ねないから安心してくれ。本当、さっさと潰れりゃいーのに(殺意)
禪院家への殺意を抱いた私を見て、硝子が「A」と私の名前を呼んだ。マジメな表情で見つめる彼女に、つられて私も表情を固くする。
「私から言えることは1つだ。外食でもコンビニ弁当でもいい。ちゃんと食事を取れ」
『昨日が例外ってだけで普段はちゃんと』
「A???」
『…スミマセン(小声)』
もしや、自炊ができないこともバレてるのか。さっきの選択肢に自炊ってなかったしな。
言い訳するなら、私だってやろうと思えば料理できるのだ。ただ、毎日頑張るには包丁が怖かった。コラそこ、呪具いけるなら包丁もいけるとか言わない。私の中では呪具と包丁は別物なんだよ。
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おもち食べたい(プロフ) - 藍さん» あんまり良い扱いはされなかったんだろうなーということはなんとなく察してますが、主人公が言い出すのを待ってる感じですね。ただ、わざわざ自分から言うことでもないので、主人公が自分から言い出すことはしばらくないんじゃないかな…(たぶん) (10月1日 17時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
藍 - さしす達は主人公の過去というか扱いとは知らないんですか? (9月30日 18時) (レス) @page36 id: 23ef5c5b40 (このIDを非表示/違反報告)
おもち食べたい(プロフ) - ふゆねこさん» ありがとうございます!不定期更新ですが、これからも頑張ります (9月10日 22時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
ふゆねこ(プロフ) - 面白いですねぇ!更新楽しみにしておりますわわ!!! (9月10日 21時) (レス) @page11 id: cd0c30d1f0 (このIDを非表示/違反報告)
おもち食べたい(プロフ) - 日出さん» ありがとうございます!これからも更新頑張りますね (9月10日 18時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち食べたい | 作成日時:2023年9月9日 17時