禪院家の怖がりちゃん【呪術廻戦】

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先程以上に警戒心を強めながら、そろそろと足を進める。自分の足音ですら怖いのはもう末期。願わくばオバケがいませんように。幽霊もいませんように。できれば呪霊も一撃で倒せるくらい弱いヤツでありますように。



両手を固く握りしめ歩いていると、不意にゾクッとした視線を感じた。慌てて後ろを振り向くも、そこには誰もいなくて。えっ……と？オバケじゃない、よね？



落ち着け自分、気のせいだ気のせい。怖がりすぎて寒気がしただけだ。でもやっぱ怖いモンは怖いんだよな……！！！助けて師匠、最近会ってないけど。昔の縁で助けてくれ。



仕方なく前を向き歩き出した。コツ、コツ、と響き渡る足音が怖すぎる。まぁ、自分のなんだけ……………待て、なんか足音2つ聞こえねぇ？自分のが反響して2つに聞こえるだけ？…いやいや絶対2つ聞こえる！！怖い怖い怖い振り返りたくねぇえええ！！！！



だが、振り返らないことには何も始まらないのもまた事実で。もしかしたら祓い終わった五条くんとか夏油くんがイタズラしてるだけかもしんないし。むしろそうであってほしい。意を決し、そーっと後ろを向いて─────




「ぉ、おハよﾞォ」

『ぎゃあああああああ！！！！！出たああぁぁぁぁ！！！』




私は全力で逃走した。アレどっち！？呪霊！？オバケ！？！？いつもなら呪霊だって分かってるから秒で祓うのに今回はわかんねぇ！！ってか今おはようじゃねぇし！こんばんはだし！！(謎の怒り)



大丈夫だA、落ち着け。まずアイツに呪力があるかの確認…とか言ってる暇ねぇわ。アイツ想像以上に速い。私の全力疾走に着いてこれるヤツあんまいないのに。俊敏にステータス全振りしちゃった感じかな？？




『神様ッ、どうかアイツが呪霊でありますように…！！！』

「承知した」




唐突に聞こえた声に、ビクッと肩を震わせる。エッ今返事されませんでした？？五条くんでも夏油くんでもない声だった。アイツらがボイスチェンジャーでも持ってない限り、あの声は確実に第三者の声……………ウッソでしょまさかのリアル神様？私何かに覚醒しちまったのか？？



思わぬ出来事に期待して曲がり角の先に視線を向けた途端、そこにいたモノを見て私の気分は真っ逆さまに急降下した。




「ショﾞ、しョうぢ、しょﾞォちシたァﾞァ」




この世界に神はいなかった。いたのは呪霊(とたぶんオバケ)だけである。なんて救いのない世界なんだ。

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