【d!】貴方と幸せになりたくて (ページ40)

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ショッピ
「あれ、アヤさんは良いんですか？」

ゾム
「…図書室でエミさんと話してるわ…また」

珍しい、なんて笑うショッピに苛立ちを感じた

見やればヘラと笑って
口元にあった噛み跡のついたストローを離す

ゾム
「…あれ、お前の仕業か？」

あの面倒臭い噂話
お前といた方が幸せそうやって話

生憎アヤは俺を愛していてくれる様やから、今は
だからええかと目を瞑ろうかと思ったが
残念ながらそれはそれ、これはこれ

聞くたびにウゼェ
この学校にいる間はずっとアヤと引き剥がされるとか耐えきれん

ショッピ
「いえ、全然
ほんまに周りの勝手です

なんで俺が、アヤさんに手出す様な真似せにゃならんのって話でしょ」

ゾム
「元々狂ってる気、更に拗らせたんかと思って」

ホンマにお前は…昔から嫌いや

ショッピ
「はは…俺はずっとアヤさんのこと、慕ってますから」

別に大事にすべきもんなんやと分かってるだけ

そう言った割にお前は随分とアヤを大事にしてる
昔から、ずっと

ショッピ
「やって、あの人の幸せを見ていられたら幸せですもん」

ゾム
「それは分かるけど」

ショッピ
「だから俺はそれがゾムさんの元で果たされるならそれで良い」

何度も殺してきた男は、けららと笑う
俺から何度もアヤを取り上げた男

かつての後輩

ずっとずっと、アヤのそばにいる男

狂信者めと罵ったって
違いますよとソイツは笑う

ショッピ
「だから、言ってるでしょ
俺はアヤさんが決めたことを優先しますから」

ゾム
「…………今回は？」

ショッピ
「勘違いしてるみたいですけど…
俺はただ彼女が選ぶ未来の先について行くだけ

人によってはこれを愛とも、狂気とも呼ぶけど…
少なくとも俺は誰に取られるとも思ってないですよ
取ってしまうことはあっても」

ホンマに、いつからその根元が狂ってたと言うのか

俺に何度殺されても飄々としているソイツは
まるで先がわかってるかのように笑うから
その度に虫唾が走る

ショッピ
「でも一番信用できるでしょ」

アヤが存在する限り
アヤを絶対の指標にするソイツが一番

それは確かで…

苛立ちに舌打ちすれば、ソイツはまた笑った