【d!】貴方と幸せになりたくて (ページ35)

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ゾムと電話をして
この日に行こうと決めた水族館…デート？の日

このチケットは、ショッピを追い払う様にして
私を連れ出したチーノくんから貰ったもの

連れて行きたい方と行け、と言われて
ゾムを誘った

チケットの入手方法を聞いたら
自分の知り合いに女たらしがいて、その人の運がとても良いらしい
福引か何かで当たったものの
その人は彼女さん全員に水族館はいいわと断られたらしく
ショッピと二人で行ってきたら？みたいな感じで渡されていたらしい

それショッピはいいのかと聞いたら
チーノくんはにっこりと笑って

チーノ
『なんで男二人でペアチケット使って水族館行かなきゃならんの？』

って言ってて…変な圧に負けた

「あ、ゾム」

ゾム
「おはよ…待たせた？」

「ううん、全然」

じゃあ行こうか、と話して
電車に乗って向かった先は、大きな水族館

海が近くて、向こうのほうからはクァクァとカモメの声がするし
遠くには白い船影も見える

チケットを使って中に入ると
出入り口には案内の大きな地図
そして右に曲がってすぐ辺りにはお土産用の売店があった

「久しぶりに来たなぁ…」

ゾム
「確かに滅多に来ないわ、どっから見てまわる？」

そっと手を繋がれて

その手を握りながら
じゃあこっちからぐるりと回ろうと話をして歩き出す

様々な魚がいた
水槽の中をドーム型の道で通るなんて素敵な道があったり
イルカ達が楽しそうに泳いでいる広い空間があったり
サメが悠々と泳いでいたり

「すご…」

ゾム
「アヤ、段差」

「ん…ありがとう」

水槽に限らず真上まで施された海の中をモチーフにしたデザインは
青い海の光をキラキラと届ける暗い部屋の中で
自分も魚になったかの様な気分にさせる

熱帯魚なんかは色鮮やかなのが沢山いて…

「綺麗…」

ゾム
「ほんまやな…これか、この水槽にいる魚一覧」

ふと、水槽のガラスのすぐそばに寄った影すら美しい
色鮮やかな魚達を横目に
私達は笑っていた