【d!】貴方と幸せになりたくて (ページ34)

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どんな色の容姿になれ、アヤはアヤ

何度も殺したその姿は
衰弱していたり、恐怖に染まっていたり、酷いもんで
俺以外の誰かを好きなアヤは特に…苦しかったな

閉じ込めて、ずっと俺がお前を幸せにするんだと言って
物凄い矛盾を目の前にさせて
分かってもらえなくて、嫌いだと吐かれて…

一度愛し合ったはずのお前にそう言われることだけは
もう…許せなくて

…早い早いリセットをかける様になっていた
もう、生まれてすぐ幼い頃からずっとアヤを俺の手の中に縛りつけておくしか方法はないんだと思ったから

だがこの世界は親同伴でない子供はなかなか遠出するのも難しかったりして
自由が利かなかったから…もっと出会うのは遅くなると思っていた

しかしアヤの方から入学の形で此方に訪れて
そして…アヤは夢で過去の自分の死に際を沢山見ていたらしい

それに希望を抱いた…ものの
これだ

アヤはきっと殺されることを怖がってる
好きなんて思っちゃいない
触れられることに慣れてないだけだろ、あの顔も

真っ赤になって、涙浮かべて
ほんまに…あの顔は可愛くて可愛くて…大好きなのに…

好きとは言ってくれてるが…やっぱり…
周りが、ダメだ
幼い頃から俺のそばに居させて
大きくなる頃には周りとの接触をしない様に…

『あ、そうだゾム…』

ゾム
「…ん？」

『あのね、あの…水族館の……ペアチケット貰ったんだけど…
一緒に見に、行きません、か…？』

電話越しにも伝わるくらい、緊張してんのが丸わかりな震えた声

ホンマに、俺の頭って…
チョロくてほんま…嫌になる

アヤが誘ってくれた
それだけでこんなに舞い上がりそうなぐらい嬉しい

ゾム
「ん、いつ？行こ」

『えっとね、使用期限が…』

じゃあ、この日に行こう
そう決めて
それじゃあおやすみ、と電話を切ってから枕に顔を埋めた

殺そうなんて…
早くリセットをなんて思ってたのに
まだ良いかなんて思う様な期待を背負わせる

狡い…ほんまに狡い

こうしてる間にもまた明日には苦しみを感じるって
分かってんのに…

ゾム
「っ………ぁあ……ほんまに…だいすき…」

喉奥から甘く溶けて漏れ出していく愛が
ずっと、ずっと…抑えきれない