【d!】貴方と幸せになりたくて (ページ33)

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ギシッ、と勢いよくベッドが軋む音がした

携帯を持ち上げて、数少ない連絡先の一人をタップする
…帰りすら邪魔をする様に人に声をかけられて
アヤと話ができたのは登校の時だけ

それが三日も続けば限界が来る
誰が何のためにこうして邪魔してんのか知らんが
時々学年問わず聞こえてくる、俺を見て後ろ指を指す様な声

あぁ、あの一年の女の子を無理矢理恋人に…って

別に俺がどう言われる分には興味なかったが
それには続きがあって

『別クラスの男の子と居る方が幸せそうだ』という話

あれは、聞き逃さなかった
話す奴らの胸ぐらを掴んで殴り飛ばしたかった

だがそれは今後の生活に支障が出て
よりアヤとの関係性に亀裂が入りかねない

こうやって…アヤとの関係は
毎度何かによって断ち切ろうとされてしまう

またこうやって不愉快な話が来ることは分かっていたのに

『もしもし？』

ゾム
「…ごめん、こんな時間に」

『ううん、大丈夫だけど…どうしたの？』

お前は、何とも思わないんだろうか
それともショッピといた方が…本当に幸せなんだろうか

アヤがあの話によって
何処かに連れて行かれているとかは分かったが
教室に迎えに行くと既にいなくて
人曰く先生に呼ばれたなんて言ってたが

実際にはショッピとチーノのいる場所に居て
頭撫でられて笑って、楽しそうにしていた

…俺のところに、戻って来ようって気持ちは見えなくて

ゾム
「……んや、声、聞きたくなって」

『あぁ…そうだったんだ…』

会話も上手く繋がらない
どうしたもんか…もう、どうにも出来ないくらい
心の中に渦巻いたものは…デカくなっている

ずっとずっと追いかけてた

生まれ変わってから、アヤが俺を覚えてないんだと知って
最初は諦めようかと思ったが…
俺は、次こそアヤと幸せになりたかった

俺がアヤ幸せにしたかった

……だけど、どれだけ平和な世界に生まれ落ちたって
お前と俺は、出逢っちゃいけなかったと言わんばかりに
誰か彼か何かに、引き剥がそうとされる

限界は、とっくに過ぎてた