【d!】貴方と幸せになりたくて (ページ32)

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吊り橋効果ってやつかな
怖さと恋が一緒くたになってしまうやつ

…好きなところは何処ですかと聞かれたら、迷ってしまう

「…でも、会わないと」

チーノ
「多分それが、無理矢理付き合ってんねやろなって感じ
ひでぇ束縛受けてそのままなんちゃう？って」

ショッピ
「あー…」

しかし実際会わなきゃ、ゾムがどう不安に思うか分からない
第一余計なお世話なことに変わりはないし…

「ごめんショッピ、巻き込んで」

ショッピ
「んや別に…ただ気になったんやけど
ホンマにあの人のこと好きなん？」

ジッ…と見つめてくる目に、喉が詰まる様な錯覚を受けた
ドキリと、真実を見透かす様に刺す瞳

「…多分」

ショッピ
「へぇ、多分か」

「…うん……多分
好き、だと思ったんだけど…夢のあれで、怖いだけなのかな…」

分かんないや、と苦笑すると
わしゃわしゃと頭が撫でられた

すぐそうやって人の髪の毛ぐしゃぐしゃにするんだから…

チーノ
「んー…お揃いのもの買ったら嬉しくなったり…
あと…今何してんのかなぁって気になったり…？
一緒にいて居心地悪くないのは大前提かもやけど
好かれてるのが嬉しかったり…

あぁまぁ…ゾムさんはなかなか無さそうやけど…
自分以外の女と話してるの見たら面白くなかったり？」

どう？と聞かれても…
琴線に触れなければ居心地は悪くない
好かれているのもわかっている

…彼が、過去の幻影に取り憑かれている訳ではなく
私を見ている、ということもわかっている

好かれているのが嬉しいかと問われたなら
返せる答えは申し訳ないとかだろうか
私は何も覚えてないから

ゾムが、他の女性と親しそうに話していたら…
あぁ、少し気になるかも
何かしら理由はあるんだろうと思うけど、ちょっとだけ
…あんなに私には言うのにって

不安とかよりも、不平等を感じる…のかも

難しくて思わず笑って誤魔化すと
チーノは微妙だと察したのかショッピ同様頭を撫でてくる
この二人、背が高いからってすぐそういうことする

「…色々、考えてみる」

ショッピ
「しんどくならんようにな」

「うん、ありがと」