【d!】貴方と幸せになりたくて (ページ15)

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桜も舞い散り
空で鯉幟が親子揃って泳ぐ頃

少しずつ高校生活にも慣れてきて
初めての恋人からの甘い甘い行為を受け取り続けて早一ヶ月

夢に怯え
現実と夢のギャップを勝手に感じて不安になる私が
必死になって脳の裏側辺りで観察した結論

まず…彼は非常に独占欲が強い
ショッピの件の時は私が半分、ショッピの悪ふざけが半分だと思ってるのだけれど
あれはそうなっても仕方ないなぁと思ってた
思ってたのだけど…どうやらそれ以前らしく

チーノくんとお話をしていただけで、物凄く威嚇する
ショッピに撫でられているのを目撃して
そう軽率に触らせるなと言い聞かせられる

最近知り合ったエーミール先輩に
今週のおすすめの本を聞いていたら
ゾムに連れて行かれてしまう、私が

そして決まって彼は
『嫉妬した』もしくは『不安になった』と言う

そして…その独占欲関連もそうだが…
彼は非常に不安定な人だと知った

主に精神的な部分
飽き性とかそういう話以前で…

ほらまた…

空き教室とかの人が見ていない場所で

ゾム
「アヤ…」

彼の手が頬に触れる
髪に指を通して、耳や顎にも触れながら
彼はまるで私の形を確認でもするかのように触れる

擽ったいけれど、この手から離れようとすると
離れるなと泣きそうな顔をして嫌がられるから、そのまま待機

ゾム
「なぁ……アヤ…恋人は俺やんな…？」

「うん…」

ゾム
「…やんな、そう…やんな……
うん…大好きやで、アヤ…」

頭を抱えるかのように抱きしめられて
彼の香りと温度でいっぱいになる

「ｯ、あぅ…」

ゾム
「んひひ…ほんまに慣れへんなぁ？」

こうして密着すると真っ赤になる私が面白いのか
彼はクスクスと笑って
猫の顎を撫でて可愛がるかのように私の頬を優しく指の背で撫でる

お昼ご飯をたまにあげて、貰って
ゆるゆると休み時間を過ごして

ゾム
「せや次体育外でやるから、見れそうやったら見て」

「…んー、見れるかなぁ…
見れる時見てるけど、猿山先生にバレてるから…」

ゾム
「…ぁー、そうなん…？」

見てること知ってるから
わざわざ目線を合わせてきて、後で授業は真面目にって笑ってくる
ゾムとの関係を知ってるから…あの人…