人生もゲームもバグだらけ4【ぬらりひょんの孫】

弟が思うこと ページ9

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夜、リクオはほっと一息ついて一日で親しくなった妖怪たちと風呂を共にしていた



「ふぅ…いてて…」

「生キズがしみんじゃねーの」

「リクオー、一日かけても出来なかったなー。
向いてねーんじゃねぇか」




ケケケ、と雨造と土彦が笑った




「そんな簡単に出来るもんじゃねーだろうるせーな」

「そうか？オレなんか〜５歳の時から出来たけどな。
てかみんな妖怪なんだから出来て当たり前なんだよなぁ」

「そーかよ」




生粋の妖怪である彼らと一緒にされてはたまったものではない
リクオの体には半分以上が人間の血が流れているのだから




「なぁ、リクオはは何で京都にそんなこだわってんだ？」

「ん？」

「京都っていやあ…
最近妙な噂がこの遠野にも出廻ってる。なんか…
『厄介な奴』が復活したとか…危険じゃねーのか？」




雨造は昼間にリクオが京都に行くと言っていたことを覚えていたようで、その事を聞いた




「ああ…まぁ危ねーだろーな…ゆらじゃあ…」

「ゆら？女か！」

「そいつを助けに行くのか！！美人なんだ」

「いや…そこそこかな…」




なぜか女の名前が出てきたら土彦までノッてきた




「あいつは身を挺してオレを守ってくれた。
あいつをそのまま見捨てるような真似はしたくねぇ。
理由は他にもう一つあるけどな…
ま…妖怪仁義ってやつだな」

「おお〜〜、妖怪ヤクザっぽい〜」

「てことは……京都は敵なんだな」

「え？」

「イタク……」

「オレも奴らは好きじゃねぇ」




今まで黙っていたイタクも会話に混ざった
イタクは誇り高いこの遠野の妖怪である自分たちを見下して奴らが嫌いで仕方がないらしかった
自分たちを下に見ているくせに、都合のいい時だけ利用する奴らが嫌いなのだと




「そーだぜ、あいつらすかしてやがる」

「そーそー！！上から目線でよ…
さも当然のように自分たちの兵隊を要求してくる！！」

「あいつらの為に働いてたまるかってんだ！！」




雨造、土彦、顔の薄い見知らぬ河童が口々にそういった
どうやらここ遠野での京妖怪嫌いは浸透しているらしい




「次来たらブッ殺してやろーぜぇ」

「おーおー老人らが何言おうが関係ねぇ」

「そうだ！！オレもあいつらが嫌いだ！！
オレをただの女だと判断しやがる」




リクオの後ろの岩陰から出てきたのは、女
その姿にリクオは固まった




「あ…あわしま━━━！？」

「え……！？
あまのじゃくの淡島！？あいつって男じゃ……」


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