雪の日に拾ったのは犯罪芸術家でした。 Forth

雪解け水3滴 ページ4

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　吾妻(あがつま) 美千留(みちる)




　 Thirdの最初に出てきていた刑事の妻。雑誌記者。



　8年前に起きた事件で薫に取材をする際高校時代の同級生であった吾妻勇輝(ゆうき)に頼み込み同席した。美女




　旧姓は浅葱(あさぎ)






　＊＊









　「久しぶりね、薫ちゃん。」



　「お久しぶりです。あと、今更ですがご結婚おめでとうございます」




　そう伝えてはにかむ可愛らしさは年を感じさせない。



　浅葱……今は吾妻美千留さんと8年ぶりの再会だ。





　「勇くんから聞いてどれだけ驚いたことか。傷はもう大丈夫なの？」



　「ええ、後遺症も全然なくて」




　「そう、よかったわ。あ、犯人の男は此方で叩きのめしといたから」





　広報効果でね、と音符が飛びそうな語調で何気に恐ろしいことを仰る。




　「そうなんですか、最近殆どニュースとか見ないので……」




　実を言うと五年前からだが。



　一種のトラウマだやっぱ





　「ふーん……それで今回“彼”のことを聞きに私に頼ってきた訳か」




　「……そう。地獄の傀儡師、高遠遙一。」





　電話した際にそれは伝えておいた。




　早めに仕事を切り上げて、資料をかき集めて持ってきてくれたそうだ。






　「まず、彼の概要についてかな。




　高遠遙一、年齢は23歳。身長は170後半と見られてる。




　人心掌握術及びマジックの腕はプロ級で、復讐心をもった一般人にその計画───




　復讐を果たすための計画を持ちかける。




　本人は『完璧な犯罪は芸術である』とか言っているらしいのよね、」







　そんな、ことを……




　マジックの腕がプロ級ってのは知ってる。






　それだけは、真実だった。







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