雪の日に拾ったのは犯罪芸術家でした。 Second

雪80片 ページ33

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　「……こ、こんな感じで、良かったですか？」




　ビビりの演技再開。




　「ああ、上出来だ兄ちゃん」




　褒められても嬉しくねーよ




　とは思っても口に出さず、飽くまでもオドオドする演技を続けながら外に出る




　放送を聞いた人達がぞろぞろと指定したスペースに集ってくる。




　コイツも絶妙な日狙いやがったな、祝日とか






　幸い子供連れは今見る限り居ない。有難い。




　だが普段に比べると学生、しかも女性が多い。





　…………いや、何でだ？




　永遠の疑問に足を踏み入れるような気がして思考を中断させ、改めて見渡す。




　2階にいた職員の人達も降りてきていた。





　「チッ……大して人数いねえじゃねえか」





　言葉通り集まったのは40人に満たないか位。




　清水さんにチラリと目配せすると、気づかないようウインクされる。




　ナイスです、清水さん。






　「お前、来い！」




　「きゃっ！」





　その中から男が一人の腕を掴んで立たせる。





　髪の長い女性……ってあの子！




　ついさっきまで私に弾けるような笑みを見せていた顔が、今は恐怖に凍りついている。





　2階に行ってなかったのかよ……！！






　「少しでも逃げる素振り見せたら……この女、ぶっ殺すからなぁ！！」






　その割れ鐘声に、所々で小さな悲鳴が上がる。




　クソッ、どうすりゃいいんだよ……！！




　必死で思考を巡らせる。




　警察は……まだ来るわけもねえか。







　…………ナイフなら………………






　勘づかれないよう、少しずつの角ばった動きで、ポケットに手を入れる。







　



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